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低カロリーの米国版缶チューハイ「ハードセルツァー」、売り上げ好調

(米国)

ロサンゼルス発

2021年06月01日

低カロリー・低糖質のアルコール炭酸飲料「ハードセルツァー」が米国で、2000年以降に成人した健康志向の強いミレニアル世代を中心に売り上げを伸ばしている。「新型コロナ禍」の中でもビールの代替として売り上げ好調で、業界紙によると、2020年の売り上げは前年比2.6倍の41億4,000万ドルで、2025年には現在の7倍以上の300億ドルになると予測されている。

ハード(アルコール入り)のセルツァー(炭酸水)という意味のハードセルツァーは、蒸留酒(スピリッツ)を5%前後含有した炭酸水にフルーツ果汁やフルーツフレーバー、甘味料などを添加した飲料で、スーパーやコンビニエンスストア、酒店などで缶入りで販売されているレディ・トゥ・ドリンク(RTD)だ。米や大麦などの穀物やサトウキビを発酵して醸造した蒸留酒で作られており、日本市場にある酎ハイや果汁サワーと似ているが、製造工程はビール醸造に近く、フレイバード・モルト・ビバレッジ(FMB)に分類されることが多い。ハードセルツァーは、米国では2016年にマーク・アンソニー・ブランズ・インターナショナルのホワイトクロー(White Claw)ブランドの発売が開始され、わずか5年足らずで急成長し、2019年に蒸留酒類ではウォッカを超える販売数量になった。

市場を現在リードしているのは、ボストン・ビールが販売しているハードセルツァーのトゥルーリー(Truly)ブランドと、ハードセルツァーブームの先駆けとなった上述のホワイトクローブランドの2つで、両者合わせて市場シェアの75%を占める(2020年6月)。これらに加え、2020年からさまざまなメーカーが市場参入しており、アンハイザー・ブッシュやクアーズといった老舗ビールメーカーに続き、コカ・コーラも2021年3月にハードセルツァーのトポ・チコ(Topo Chico)を販売開始した。

この人気の背景には、蒸留酒にはもともと糖質やグルテンが含まれておらず、カロリーが控えめで(注)、ミレニアル世代と呼ばれる健康志向の若者層に好まれていることがあるとみられる。また、「新型コロナ禍」で飲食に対する健康志向がより高まっているほか、店内飲食が制限されたレストランやバーでの飲酒が激減して家飲みのためコンビニやスーパーマーケットで購入する機会が増加したことも要因とみられていて、2019年に15億ドルだったハードセルツァーの売り上げは、2020年3~5月の売り上げだけで10億ドルを超えた。

それでも、ハードセルツァーの売り上げはまだビール売り上げの10%程度にとどまる。しかし、米国クラフトブリュワリー団体(Brewers Association)によると、2020年のビールの総売り上げ量は2019年に比べて1.6%の減少となっており、ハードセルツァーは今後5年間でビール売り上げの20%に成長するとみられている。

(注)12オンス(355ミリリットル)で平均カロリーは100キロカロリー。ビールは150キロカロリー、クラフトビールは200キロカロリー、ワインは120キロカロリーとなり、他のアルコール飲料よりも低カロリー。

(仲野千晶)

(米国)

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