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国務院、失業保険改正の施行を差し止め

(フランス)

パリ発

2021年06月25日

フランスの最上級行政裁判所の機能を有する国務院は6月22日、7月1日に施行予定だった失業保険制度の改正に関する2021年3月30日付の政令(デクレ)の施行差し止めの判決を下した。フランス民主主義労働総同盟(CFDT)、労働総同盟(CGT)、労働者の力(FO)、管理職総同盟(CFE-CGC)など主要な労働組合が、同デクレの執行停止を求めて国務院に提訴していた。

同デクレは、政府が策定した失業保険制度の改正に関する2019年7月のデクレを修正したもの。2020年11月に国務院がデクレの一部を無効(2020年11月27日記事参照)としたため、政府はその内容を見直したが、失業保険の給付額の基準となる日額給与額(salaire journalier de référence)の算出方法の変更や失業保険料の企業負担分の割り増し・割引制度の導入など改正措置の基礎を維持していた。今回の判決により差し止めの対象となったのは、日額給与額の算出方法。

国務院は、「新たな規定は、短期雇用契約と非活動期間を交互に繰り返す就労者の失業手当額を不利にすることにより雇用の安定を促進するとしているが、現在の不確実な経済状況において施行を認める状況にない」と判断した。

労使により共同運営されている失業保険制度は、労使協定の合意を承認するデクレの発布により有効となる。2018年の労使交渉の決裂後、政府が策定した同デクレに対する今回の国務院の判決は、緊急審理により経済状況に基づき判断されたもので、同デクレの法的正当性は今後、新たに国務院が判断することになる。

CFDTのローラン・ベルジェ書記長は「改正により大きな不利益を被ることになっていた求職者にとっての勝利だ」と喜びの意を表明した。エリザベット・ボルヌ労働・雇用・社会復帰相は、ラジオ局RTLのインタビューで、「国務院は制度改正の根本を問題にしているわけではない」とし、国務院の懸念に応える道を探るとともに、2021年中に改正制度を施行させる意向を示した。

(奥山直子)

(フランス)

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