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国務院が失業保険改正の一部無効を決定

(フランス)

パリ発

2020年11月27日

フランス国務院は11月25日、2019年の失業保険制度の改正(2019年6月21日記事参照)に関するデクレ(政令)の一部を無効とする決定を下した。最上級行政裁判所の役割を兼ねる国務院が無効とした措置は、失業保険の給付額の計算方法と有期労働契約を多用する企業の保険料企業負担分の割増・割引制度。

国務院は、失業保険の給付額の基準となる日額給与額(salaire journalier de référence)の算出方法について、「継続して就労した失業者と断続的に就労した失業者との給付額に不平等が生じる」と判断した。改正法では、給与を就労日で除したものでなく、契約期間の日数で除し算出する方法を新たに導入していた。算出方法の変更は、同デクレにより当初2020年4月から施行と定められていたが、新型コロナウイルスの影響を考慮し2021年4月からの施行に延期されている。

失業保険料企業負担分の割増・割引制度については、「制度の措置の一部はアレテ(省令)ではなくデクレ(政令)で定められるべき」という法的要件を理由に無効とした。

政府は、2020年7月の「労使との対話」の会議に引き続き、9月から労使間との協議を継続しており、新たな給付額の計算方法や保険料の割増・割引制度の実施条件を中心に、国務院の決定に適応する解決策を探ることになる。

エリザベット・ボルヌ労働・雇用・社会復帰相は「労使との対話において、(失業保険)改正事項のうち、この点については調整が必要と認識していた。現在、改革の基本方針を十分尊重しつつ、特定の状況を考慮した均衡のとれた対応策について最終的に詰めている段階だ。国務院の決定が有効となる2021年3月31日までに新たな措置が適用される予定で、失業保険の受益者の権利が中断されることはない」と表明した。

共産党系の労働組合であるCGT(フランス労働総同盟)は、国務院の決定を勝利としつつ「大部分が違法な改正措置の完全撤廃を得るために戦いを強化しなければならない」として、労働の権利や改正措置の完全撤廃を求めて12月5日にデモを呼び掛けている。

(奥山直子)

(フランス)

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