ワクチン接種者550万人達成で国内向け規制の多くを解除

(ハンガリー)

ブダペスト発

2021年06月25日

ハンガリーのグヤーシュ・ゲルゲイ首相府長官は6月24日の定例記者会見で、新型コロナウイルスワクチン接種者が550万人に達したところで、国内向け規制につきその多くを解除すると発表した。5月初旬に、免疫証明書を持たない者に対する制限措置は8月まで緩めないと宣言していたが、方針転換した。

今回、発表された変更点は以下のとおり。

  • マスクの着用義務を全面的に解除(ただし、病院などの医療機関を除く)
  • ホテルなど宿泊施設の利用、レストランなどの飲食店における店内利用、温泉やビーチの利用の全面解除(免疫証明書の提示は不要)

マスクの着用義務については医療機関に限定されており、屋内施設や店舗内、トラムやバスなどの公共交通機関の利用に当たってもその着用義務は解除されることになるとみられる。

なお、多くの人が集まる集会、スポーツイベント、コンサート、フェスティバルへの参加に当たっては引き続き免疫証明書が求められる。

ハンガリーにおけるワクチン接種者数は、6月24日午前9時の時点で544万5,544人に上っている。しかし、500万人に達した後はその勢いが弱まり、最近では1日当たりのワクチン接種者数は1万人台前半にとどまっている。このことから現地紙では、27日または28日に接種者数550万人の達成を見込んでいる(「ポートフォリオ」紙6月24日)。

この発表と併せて、グヤーシュ長官は、6月22日付の官報でウクライナを除く近隣国(注)からのハンガリーへの陸路での入国においては、陰性証明などの提示義務を撤廃し、新型コロナウイルス感染拡大前の状態に戻すことについて言及した。ただし、空路については、欧州域外からのトランジット客もいることから引き続き従来の制限を継続するとした。

(注)クロアチア、オーストリア、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア。

(オルマンディ・ジョルト)

(ハンガリー)

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