世界の生計費ランキング、アフリカではチャドが前年に続き首位

(アフリカ)

中東アフリカ課

2021年06月29日

米国のコンサルティング企業マーサーが発表した「2021年世界生計費調査 都市ランキング」によると、アフリカ域内で最も物価の高い都市は、前年に続きチャドのンジャメナとなった。ンジャメナは全世界でも13位となり、前年の15位から上昇した。住居費などが世界的に見ても高額とされた。アフリカでは、ナイジェリアのラゴス(全世界では19位)、ガボンのリーブルビル(同20位)と続いた。一方、ザンビアのルサカがアフリカ域内で最も物価が低く、全世界でも209都市中で208位だった。なお、前年はチュニジアのチュニスが209位だった(今回は206位)。

その他、アフリカ主要都市のランキングは以下のとおり(かっこ内は全世界での順位)。

  • コートジボワール・アビジャン(24位)
  • 中央アフリカ共和国・バンギ(30位)
  • コンゴ・ブラザビル(38位)
  • コンゴ民主共和国・キンシャサ(41位)
  • カメルーン・ヤウンデ(49位)
  • ガーナ・アクラ(87位)
  • エジプト・カイロ(137位)
  • ケニア・ナイロビ(145位)
  • モロッコ・ラバト(152位)
  • モザンビーク・マプト(179位)
  • 南アフリカ共和国・ヨハネスブルク(184位)
  • エチオピア・アディスアベバ(194位)

アフリカで前年から順位が大きく変動したのは、リーブルビル(33位→20位)、キンシャサ(24位→41位)、セネガルのダカール(75位→56位)などだった。ヨハネスブルクが下位に位置した背景としては、新型コロナウイルス禍による経済低迷などが指摘された。

本調査は世界の209都市を対象に包括的な生計費を調査するもので、米国ニューヨークを100として各都市のコスト(住宅、交通、食事、娯楽など)を指数化して比較している。東京は全世界で4位と前年から順位を1つ下げた。2021年3月時点のデータを使用しており、新型コロナウイルス感染拡大による経済の低迷がランキングにも影響したとしている。一方で、世界各国で一定期間、徴税の免除などの政策が取られたことから、多くの都市では、新型コロナ禍による物価の大きな変化は見られなかったとした。

(小松崎宏之)

(アフリカ)

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