英アストラゼネカ製ワクチン接種者に2回目はファイザー・モデルナ製ワクチン推奨

(カナダ)

トロント発

2021年06月23日

カナダの国家予防接種諮問委員会(NACI、注)は6月17日、各州や準州に対する新型コロナウイルスワクチン接種のガイドラインを更新外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、1回目に英国アストラゼネカ製ワクチンを接種した人は2回目の接種にmRNAワクチン(米国のファイザー製またはモデルナ製)を接種すべきと勧告した。

5月中旬から多くの州でアストラゼネカ製ワクチンの使用が中断されていることを受けて、NACIは6月1日の前回勧告(2021年6月3日記事参照)で、アストラゼネカ製の初回接種者は2回目の接種にアストラゼネカ製もしくはmRNAワクチンのいずれかを接種可能としていた。

今回のNACIの勧告の主な内容は以下のとおり。

  • 初回接種の場合には、mRNAワクチンまたはその成分に対するアレルギーなどの禁忌がない限り、mRNAワクチンの接種を推奨する。
  • 2回目の接種については、(1)mRNAワクチンの初回接種者は、2回目も同じメーカーのワクチンを接種すべきだが、同一メーカーのワクチンがすぐに入手できない場合、または初回に接種したワクチンのメーカーが不明な場合には、別のメーカーのmRNAワクチンを接種可能。(2)アストラゼネカ製ワクチンの初回接種者は、2回目の接種はmRNAワクチンの接種を推奨する。

今回の勧告についてNACIは、カナダでmRNAワクチンの供給が増えていることに加え、アストラゼネカ製ワクチンの1回目の接種後にファイザー製mRNAワクチンを接種した場合、アストラゼネカ製を2回接種する場合に比べて、より良好な免疫反応があることを示唆する研究結果がドイツで報告されていること、ウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ製、ヤンセンファーマ製)はまれだが、ワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)のリスクがあることなどを考慮した結果としている。

連邦政府の最新データ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、カナダでは6月18日時点でワクチンを1回以上接種した人は人口の64.2%(2,441万人)、接種完了者は12.8%(487万人)となっている。CBCニュース(6月17日)によると、カナダは6月末までにモデルナ製約950万回分、7月中にファイザー製900万回分を受け取る予定になっている。

(注)NACIは、小児科、感染症、社会科学、公衆衛生など各分野の専門家で構成し、連邦政府に新しく承認されたワクチンの使用に関する指針を提供している。

(中溝丘、飯田洋子)

(カナダ)

ビジネス短信 c07b9badbc64e4bf