第1四半期のエネルギー削減目標達成は3分の1の地域にとどまる

(中国)

中国北アジア課

2021年06月10日

中国国家発展改革委員会は6月3日、2021年第1四半期(1~3月)の各省・自治区・直轄市のエネルギー消費量とGDP単位当たりのエネルギー消費量(エネルギー強度)の削減目標(以下、両目標)について、それぞれの達成状況を示した一覧表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。

同表では、実績値と目標値との乖離が10%を超える場合は第1級警告として「赤信号」、同10%以内は第2級警告の「黄色信号」、進捗目標達成の場合は第3級警告の「青信号」を示している。

両目標を達成して「青信号」がともに示された地域は北京市、天津市、上海市、山東省、湖北省、重慶市など、31省・自治区・直轄市のうち10地域で、3分の1にとどまった。他方で、浙江省、広東省、広西チワン族自治区、雲南省の4地域では両目標とも「赤信号」だった。

国家発展改革委員会は今回の発表で「第1級と第2級警告に該当した地域は、2021年の両目標、特にGDP単位当たりのエネルギー消費量の削減目標を確実に達成すべく、厳しい状況を十分に警戒し、問題の原因を徹底的に分析して有効な措置を講じなければならない」と通告している。

中国全体としてのGDP単位当たりのエネルギー消費量については、中国政府は2025年までに13.5%削減、2021年に3%前後削減するとの目標を打ち出している。

なお、2020年末には複数の地域で電力供給の制限が発生した。経済活動の急速な回復による工場稼働率の上昇や厳しい寒さなど複合的な要因が指摘されたが、浙江省については、地方政府が両目標の達成のために供給制限を実施したと報じられた(「新華社」2020年12月28日)。

(小林伶)

(中国)

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