日独経済シンポジウムで革新的な運輸・ロジスティックについて議論

(ドイツ、日本)

デュッセルドルフ発

2021年06月04日

ドイツのデュッセルドルフ日本商工会議所やノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州関係機関の主催、ジェトロなどの協力により、5月27日に「日独経済シンポジウム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。同シンポジウムは、日本文化の紹介を目的とする「日本デー」に合わせて毎年開催されているが、2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響のため、オンラインでの開催となった。シンポジウムには「革新的な運輸・ロジスティック~ニューノーマルとサスティナビリティを見据えて」というテーマの下、日独双方から約200人が参加した。

基調講演では、ドルトムント工科大学企業ロジスティクス学科講師およびフラウンホーファー研究所物流・ロジスティクス部門長を務めるミヒャエル・ヘンケ教授、早稲田大学附置研究所グローバル・流通コラボレート研究所の辻本方則招聘(しょうへい)研究員が登壇した。ヘンケ教授は、サプライチェーンマネジメントにおいてブロックチェーンがビジネスを根本的に変化させ、企業に全く新しい機会をもたらすことを強調した。辻本招聘研究員は、配送センターにおける二酸化炭素の削減方法として、配送センター集中化によるトラック台数の削減や、自動化技術導入による通勤車両の削減などを紹介した。

続いて、日独両国の企業から、温室効果ガス排出量の削減への貢献や持続可能性に向けた取り組みが紹介された。日本企業側からは、日立製作所や日本通運、伊藤忠商事が登壇し、バイヤーおよびサプライヤー間の信頼関係の確立に向けた日独協力の取り組みや環境に良い国際鉄道貨物輸送のメリット、他社との連携による次世代型モビリティ物流網の構築およびアンモニア燃料船の長所など、各社の最新事例が発表された。ドイツ企業側からは、国際輸送物流会社のDHLや卸売業のメトロ、トイレタリーメーカーのヘンケルが登壇し、コロナ禍後のサプライチェーンにおける変化や、食品流通、ロジスティクス、顧客、従業員の通勤、出張におけるグリーン・モビリティの取り組み、追跡による配送の透明性の向上や納品書のデジタル化などの取り組みが紹介された。

その後、パネルディスカッションに移行し、意見交換が行われた。

写真 ヘンケ教授の基調講演の様子のスクリーンショット(在デュッセルドルフ日本総領事館提供)

ヘンケ教授の基調講演の様子のスクリーンショット(在デュッセルドルフ日本総領事館提供)

写真 パネルディスカッションの様子(在デュッセルドルフ日本総領事館提供)

パネルディスカッションの様子(在デュッセルドルフ日本総領事館提供)

(ベアナデット・マイヤー)

(ドイツ、日本)

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