第1四半期のGDP成長率は前期比1.8%、前年同期比でも1.1%とプラス転化

(オーストラリア)

シドニー発

2021年06月03日

オーストラリア統計局(ABS)は6月2日、2021年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前期比1.8%だったと発表した(添付資料表1参照)。前年同期比では1.1%となり、新型コロナウイルス感染拡大後、初めてプラスに転じた。

需要項目別の実質GDPを前期比でみると、新型コロナウイルス感染拡大防止のための制限措置がより一層緩和され、サービス支出が増加したことから、民間最終消費支出が1.2%増と引き続き増加した。また、住宅の新築・改築への助成金や資産の即時減価償却などの政府の支援策によって、住宅投資や設備投資がさらに促進され、国内総固定資本形成は4.7%増となった。財貨・サービスの輸出入も増加し、輸出は0.5%増、輸入は3.7%増となった。

産業別にみると、情報通信業(前期比1.9%減)小売業(1.0%減)、電気・ガス・水道・廃棄物処理業(0.9%減)が減少したものの、ほとんどの産業が前期比で増加した(添付資料表2参照)。住宅需要の増加によって、不動産業(5.3%増)、建設業(4.4%増)が大きく伸びたほか、国内旅行需要の高まりなどを受けて、宿泊・飲食サービス業(5.2%増)、運輸・郵便・倉庫業(5.0%増)も増加した。オーストラリアの主要産業である鉱業(0.7%増)は、石油・ガスが2.1%増、石炭が0.2%増だったものの、西オーストラリア州での悪天候の影響で、鉄鉱石が0.1%減となった。

ジョシュ・フライデンバーグ財務相は「国内の経済活動は、新型コロナウイルス感染拡大前となる2019年第4四半期(10~12月)の水準を0.8%上回っており、オーストラリア経済は回復を遂げている」と自信をみせた。

(住裕美)

(オーストラリア)

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