米カリフォルニア州、期間限定で「リアルID」への切り替え無料に
(米国)
サンフランシスコ発
2021年06月23日
米国カリフォルニア州陸運局(DMV)は6月21日、従来の運転免許証や身分証(ID)から連邦統一基準の身分証であるリアルID運転免許証やID(以下、リアルID)への切り替えを2021年末まで一定の対象者に対し無料で行うと発表した。対象となるのは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う制限によって、従来の運転免許証・IDの更新時にリアルIDへの切り替えができず、連邦統一基準に準拠しないままの免許証・IDを持つ州住民に限られる。
通常は運転免許証の更新には38ドル、ID更新には33ドルかかるが、今回リアルIDに切り替えたい対象者には追加料金を課さないというもの。
リアルIDへの切り替え・取得に当たっては、DMV事務所へ一度出向く必要がある。DMVは新型コロナウイルス感染拡大の中、一時的にオンラインや郵送で更新できる対象範囲を広げて対応していたが、リアルIDへの切り替えはこの対象に含めていなかったことから、従来様式で運転免許証やIDの更新を行った住民が多かった。DMVは、2020年3月~2021年7月にリアルIDへの申請が可能な州住民に発行したリアルID準拠でない運転免許証とIDの数は570万件に上ると見込んでいる。
米国内線の航空機搭乗や連邦施設などへの入館には、2023年5月3日からリアルIDやパスポートなど連邦統一基準の身分証の提示が求められる。国土安全保障省(DHS)は2020年10月1日から提示を求める予定だったが(2018年1月10日記事参照)、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開始日を延期し、最終的に2023年5月となった。
カリフォルニア州では、リアルID準拠でない従来の運転免許証・IDも引き続き発行しており、リアルIDへの申請は任意となっている。今回の対象者でリアルIDへの切り替えを希望する者は同州DMVのウェブサイトから手続きを開始できる。
(田中三保子)
(米国)
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