マリで政変、新たな暫定大統領と首相が就任

(マリ、コートジボワール)

アビジャン発

2021年06月17日

アフリカ西部のマリで6月7日、暫定政府の大統領にアシィミ・ゴイタ大佐が就任した。ゴイタ氏は、2020年8月にクーデター(2020年8月20日記事参照)を主導し、同年10月に発足した暫定政府の副大統領(2020年9月30日記事参照)だったが、2021年5月25日にバ・ヌダウ暫定大統領とモクタル・ウアンヌ暫定首相を拘束し、解任した。暫定政府は、民政移管に向けたロードマップに従い、18カ月以内に大統領選挙および国民議会選挙を実施する準備を進めていた。

ゴイタ氏は、テレビ放送を通じた声明で、5月24日に行われた暫定政府の内閣改造について、ヌダウ暫定大統領とウアンヌ暫定首相が協議せずに軍出身の閣僚2人の排除を決めたことを、民政移管への「妨害だ」と批判していた。

ゴイタ氏は6月7日の大統領就任式で、民政移管に向けて予定どおり2022年初頭に選挙を実施すると表明した。同日には、野党連合M5-REPのリーダーのショゲル・マイガ氏を首相に任命しており、11日に組閣が行われた。新内閣では、クーデターの首謀者を含む多数の軍関係者らが主要閣僚ポストを占めている。

ゴイタ氏らによる暫定トップの解任行為は、国連、アフリカ連合(AU)、EU、米国、フランスなど国際社会から強い非難を浴びている。AUと西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、憲法秩序が回復されるまでマリの加盟国資格を停止すると発表した。また、世界銀行は6月5日、マリに対する融資を凍結した。

(渡辺久美子)

(マリ、コートジボワール)

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