ベトナム政府、ホーチミン市のワクチン独自調達に同意

(ベトナム)

ホーチミン発

2021年06月21日

ベトナム政府はこのほど、ホーチミン市人民委員会が提案していた、同市における新型コロナウイルスワクチンの独自調達に同意した。6月15日付の政府サイトなどが報じた。

ホーチミン市人民委員会は6月11日、文書1907/TTr-UBNDを政府に提出し、ホーチミン市内の企業が、世界の主要なワクチンのメーカー・流通企業と交渉して、購入・輸入することを許可するよう提案していた。また、ワクチン購入・輸入後の企業における従業員への予防接種については、ワクチン接種の安全性や品質などを確保できる組織に実施を委託することの許可も求めていた。ブー・ドゥク・ダム副首相は、これらの要請事項に同意した上で、購入を争うことによるワクチン価格の上昇を回避する必要があるとの考えを示した。

文書1907/TTr-UBNDでは、人口(18歳以上)が720万人以上のホーチミン市は、各企業・工業団地などに勤務する従業員が160万人超に上るが、これまでに配布されたワクチンは14万回分で、1回目の接種を受けた人は6万4,366人、2回目を完了した人は1万179人にとどまることが報告されていた。そして、人口の70%以上へのワクチン接種を行い、集団免疫を獲得するためには、ワクチン調達が緊急の課題としていた。

ホーチミン市は、2021年4月末以降に発生した第4波の主な感染地域の1つになっており、6月14日には、5月末から実施されていた社会隔離措置の2週間延長を決定するなど警戒が続く。同市には、日本から供与された約100万回分のワクチン(2021年6月18日記事参照)のうち、8割以上の数量が配分の予定で、集中的な新型コロナウイルスへの対策が行われる見通しだ(ホーチミン市党委員会サイト6月17日)。

(阿部浩明)

(ベトナム)

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