韓国産業通商資源部、自動車部品産業の構造改革プログラムを発表

(韓国)

ソウル発

2021年06月17日

韓国の産業通商資源部は6月10日、「自動車部品産業の未来自動車への転換支援戦略」を発表した。エンジン、トランスミッション、内燃機関の電気装置など事業再編の必要性が高い分野が、韓国の自動車部品産業および雇用の47%を占めている(注)。電気自動車化などが進んだ場合、2030年までに約900社が廃業することが見込まれる。このため、事業転換のパッケージを推進し、雇用や自動車部品の生産基盤を維持することが狙いだ。

同戦略は、自動車部品産業の次世代自動車(未来自動車)への構造改革のため、総合支援プラットフォームを構築し、2030年までに既存の自動車部品企業1,000社を次世代自動車関連企業に転換するという基本方針の下、以下の3つの政策と関連施策により構成されている(関連施策は抜粋)。

1.次世代自動車への転換に関する総合プラットフォームの構築

自動車研究院、KOTRA(大韓貿易投資振興公社)、技術保証・信用保証基金、自動車部品産業振興財団などが参加し、「事業再編支援団」を拡大・改編し、次世代自動車の開発・販売戦略を共有しつつ、コンサルティング、金融、販路開拓、事業化などをワンストップで支援する。

2.自動車部品産業の事業モデルの革新を支援

完成車メーカーの新車開発戦略に符合する部品・素材開発に集中的に支援する。また、完成車メーカーのサプライチェーン計画と連携し、国産化する戦略品目の技術開発や事業化支援を強化する。特に、海外依存度の高い電気自動車・水素自動車の素材国産化率を現在の70%から、2025年には95%とするべく、2021年に329億ウォン(約33億円、1ウォン=約0.1円)の研究開発(R&D)予算を投じる。

3.資金・技術・人材・工程の4大支援分野を拡充

事業転換の際の設備投資費用などの支援のため、2022年度の政府予算で低利融資支援策を発表する。機械・電子・ソフトウエアなど、次世代自動車に関する専門人材を5年間で1万人を養成、現場人材については、5年間で6,200人に対し実務教育を支援する。

(注)自動車研究院の調査によれば、事業再編の必要がある自動車部品企業は4,195社、従業員は10万8,000人。

(当間正明)

(韓国)

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