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米FRB、大手金融機関23行への健全性審査を実施、全行が基準クリア

(米国)

ニューヨーク発

2021年06月28日

米国連邦準備制度理事会(FRB)は6月24日、大手金融機関23行を対象にした健全性審査(ストレステスト)の実施結果を公表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)し、全行がFRBの基準をクリアしていることを明らかにした。ストレステストはリーマン・ショックを契機に導入されており、金融危機など深刻な不況に陥った際に金融機関がそれに耐え得るだけの資本などを備えているかを点検する。ストレステストは通常は年に1回だが、2020年は6月と12月の2回行われており、2021年に入ってからは今回初めて実施された。23行の中には、日系金融機関としてはMUFGアメリカズ・ホールディングスが含まれている(全行リストは添付資料表参照)。

ストレステストの想定シナリオでは、GDPが2020年第4四半期(10~12月)から2022年第3四半期(7~9月)にかけて4%減少、失業率も4ポイント上昇して10.75%に到達、資産価格は急激に減少し、株価は55%減少するという仮定の下、2021年第1四半期(1~3月)から2023年第1四半期の間に、各金融機関の損失や収益、資本レベルがどのように変化するかのシミュレーションを行った。その結果、23行合計で4,700億ドル以上の損失が発生、特に、商業不動産や企業向け融資の損失は約1,600億ドル近くに達するとしており、自己資本比率は平均で10.6%まで下落するが(2020年第4四半期の実績は13.0%)、最低基準の4.5%を大きく上回るとしている。

今回のストレステストを担当した銀行監督担当のランダル・クオールズFRB副議長は声明で「過去1年間にFRBは幾つかの異なる不況の想定の下で3回のストレステストを実施したが、銀行システムが継続的な景気回復を支えるのに十分強固であることが確認できた」と述べた。

FRBは2020年6月、新型コロナウイルス禍の中でも資本を十分に確保させるために、大手金融機関に自社株買いと増配を一時禁止する措置を取っていたが、2021年3月にこの措置を6月末で解除し、従来通りストレステストの個別結果を基に各行の株主還元策を審査するとしていた。今回の結果により、各行はパンデミック以前のように株主還元策の実施が可能となる。FRBは上記の措置以外にも、2021年3月末に補完的レバレッジ比率(SLR)規制の緩和措置を終了するなど行っており(2021年3月23日記事参照)、金融規制の危機対応からの脱却を着実に進めている。

(宮野慶太)

(米国)

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