米FRB、大手行への自己資本規制緩和措置の3月終了を決定

(米国)

ニューヨーク発

2021年03月23日

米国連邦準備制度理事会(FRB)は3月19日、大手銀行を対象にした自己資本規制の特例緩和措置を3月末で終了すると発表した。緩和措置の終了により、大手行が米国債などを今後売却することが予想されることから、金利上昇圧力につながる恐れがある。

3月末の終了を決定したのは、「補完的レバレッジ比率(Supplementary Leverage Ratio、以下、SLR)規制」と呼ばれる2008年の金融危機後に導入された大手行に対する資本規制の緩和措置で、同比率は分子に自己資本、分母に貸し出しや債券といった保有有価証券、デリバティブ(金融派生商品)などのリスク資産の額を置いて算出される。金融危機の反省から、グローバル金融システム上で重要な銀行に対しては、金融危機時でも損失を十分に吸収できるよう資本を積むことが求められており、基準として5%(注)に設定されている。しかし、新型コロナウイルス感染拡大による流動性不足を踏まえ、FRBは2020年4月にSLR規制について、1年間の期間限定で、分母のリスク資産から米国債や準備預金を外すことを認めていた。これにより、銀行は国債などを購入しても資本を積み増す必要がなくなり、国債などを買いやすくなることから、市場に流動性が供給され、金利の低位安定化に寄与していた。

最近、景気回復の傾向が顕著となり、インフレと長期金利が上昇局面となっていることから、SLR規制延長の是非が注目されていたが、FRBでは国債市場は安定していると判断し、予定どおりの緩和措置の終了を決めた。一方でFRBは、SLR規制が今後適切に機能するよう、同規制の修正も含めて広く意見を求めた上で適切な措置を講じるとして、市場の懸念に対する配慮も示した。

(注)最低基準3%とバッファー2%の合計

(宮野慶太)

(米国)

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