中国の研究院が世界の国家イノベーション指数発表、中国は14位

(中国)

中国北アジア課

2021年06月07日

中国科学技術部傘下の中国科学技術発展戦略研究院は6月3日、上海市で開催された「2021浦江イノベーションフォーラム」で、各国のイノベーション能力を図る指標となる「国家イノベーション指数報告2020」を発表した。この報告は2011年から9年連続で発表しており、R&D投入額の多い40カ国・地域を対象に、(1)イノベーション資源、(2)知識のイノベーション、(3)企業のイノベーション、(4)イノベーションの業績と効果、(5)イノベーション環境の5つの指標を基に評価している。

イノベーション指数の順位をみると、米国がトップで、日本、韓国、スイスなどが続く(添付資料表参照)。アジア勢では、日本と韓国が前年に続き2位と3位を維持した。5つの指標のうち、「企業のイノベーション」「知識のイノベーション」の評価が高かったことが背景にある。一方で、中国は前年より1つ順位を上げて14位となった。「イノベーション資源」と「イノベーション環境」が順位を上げたことが上昇につながった。

中国科学技術発展戦略研究院の劉冬梅副院長は「中国のイノベーション能力は同等の経済指標を有する国や地域に比べて大幅に高い。中国の1人当たりGDPは2018年時点で9,771ドルだが、イノベーション指数では1人当たりのGDPが5万ドル前後の欧州各国に並ぶ」と説明した(「新浪財経」6月3日)。また、劉副院長は「イノベーションに対する中国政府の支援は世界トップクラスにある。2018年の中国R&D経費は2,974億3,000万ドルに達し、全世界の17.5%を占め、国・地域別では第2位だった」と評価した。

(方越)

(中国)

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