パンデミックからの出口戦略となる「国家回復計画」発表

(マレーシア)

クアラルンプール発

2021年06月21日

マレーシアのムヒディン・ヤシン首相は6月15日、新型コロナウイルスのパンデミックからの出口戦略として、4段階で構成する「国家回復計画」を発表した。

制限緩和の基準を設定

同計画では、第1段階から第4段階までの4段階で、新型コロナウイルス感染状況に応じて、経済活動と社会活動の段階的な緩和を行っていく。

また、(1)1日当たりの感染者数、(2)公衆衛生システムの状況および集中治療室(ICU)の利用状況、(3)ワクチンを2回接種した人の人口比率の3つの指標でそれぞれ目標値を設定し、目標を達成した時点で次の段階に移行する(添付資料表参照)。

なお、6月1日から開始した移動制限令が第1段階に当たる。政府は6月11日、同月14日までの予定を同28日まで延長することを発表した。移動制限令中の制限内容を定めた標準作業手順書(SOP)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(注)の内容に大きな変更はなく、操業可能業種にも変更はない(2021年6月2日記事参照)。ただし、操業可能業種ではない業種でも、輸出または輸入のため、既存の在庫の出荷と受け入れについては、最寄りの警察署の許可を得た上で、月曜、水曜、金曜の午前8時から午後8時までに限って認められる。

第2段階では、第1段階と同様に操業可能業種のみが操業できるが、対象となる業種を拡大し、稼働率は80%までとする。社会活動や州をまたぐ移動は引き続き禁止となる。第3段階では、ほぼ全ての経済活動を再開するが、稼働率は80%を維持する。社会活動のうち、教育やスポーツなどを中心に再開する。第4段階では、全ての経済活動を再開し、社会活動も一部を許可する。また、この段階で州をまたぐ移動や国内旅行を解禁する。

6月17日の感染者数は5,738人となっており、ここ数週間は1日当たり5,000人台で推移している。なお、ワクチンを2回接種した人数は、6月16日時点で約150万人となった。

(注)マレー語のみ

(田中麻理)

(マレーシア)

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