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台湾米国商会が白書発表、米台相互貿易協定締結に向けた取り組み提言

(台湾)

中国北アジア課

2021年06月28日

台湾米国商会は6月23日、2021年版の「台湾白書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、白書)を発表した。白書は、在台湾の米国企業(法人会員約500社)が直面する課題や解決のための建議を各産業セクター別にまとめたもので、米国政府への提案と2021年の建議事項、前年の建議事項のレビューからなる。

米国政府に対しては、米台相互貿易協定(BTA)締結を最終目標とする、「台湾商業イニシアチブ(TCI)」を提案した。TCIでは、(1)貿易・投資枠組み協定(TIFA)協議の再開の意思をすぐに示すこと(注)、(2)台米経済繁栄パートナーシップ対話(EPPDD)に民間企業を加えること、(3)米国商務省、台湾経済部による米台貿易投資プラットフォームの立ち上げ、(4)BTAの準備段階として米台租税協定の締結、(5)既存の、もしくは新たな多国間経済対話に台湾を加えるなど、複数の取り組みを通じて、粘り強くBTA締結を目指していくとした。

白書では、国交のない台湾との貿易協定締結は、法的に乗り越えなくてはならない困難があるが、BTA締結による利益には、経済的な側面のみならず、安全保障や地政学上の観点からも説得力があるとの認識を示した。

台湾当局に対する建議事項の重点としては、(1)デジタル化の加速、(2)サプライチェーンの強化、(3)エネルギー問題、(4)台湾のバイリンガル化、(5)ソブリン・ウェルス・ファンドを通じた影響力の強化の5点を挙げた。

(1)では、台湾は世界で最も先進的な製品を製造しているが、台湾当局や企業ではいまだ多くのプロセスがペーパーワークで占められていると指摘。特に、金融業務における顧客確認に書類とサインが必要とされるのは国際的基準に合わないとした。

(2)では、台湾のサプライチェーンは強靭(きょうじん)だが、地政学的な影響や、新型コロナウイルス感染のパンデミックなどの影響を和らげるためには、引き続き積極的に海外企業との連携強化が必要とし、連携の場としてセレクトUSAインベストメントサミット等の活用を呼び掛けた。

(3)では、近年の水不足による電力供給問題について、長期的に安定的なエネルギー供給が行われるか懸念を表明。当局が2025年までに再生可能エネルギー比率を20%に引き上げる目標を打ち出していることから、外資および台湾企業の台湾回帰投資を支えるためには、太陽光、風力発電などの発電能力強化が必須とした。

(4)では、台湾当局が「2030年台湾バイリンガル政策」を掲げ、英語と中国語のバイリンガルを目指すことを歓迎した。一方、目標達成には、文法中心の現在の英語教育から、コミュニケーション能力育成へのシフトとITの活用が必要と指摘した。

(5)では、政府が国家資産を運用するソブリン・ウェルス・ファンドは、トップ500社を中心とする世界中の企業の株主でもあり、外貨準備を増やし、世界との連携を強める非常に有効な手段とし、台湾中央銀行に対し、ソブリン・ウェルス・ファンドを通じた外貨準備の柔軟な運用を提言した。

2020年の建議事項に対するレビューでは、建議した92項目のうち、白書を作成してきた過去25年で最も多い13項目が解決されたとし、台湾当局のビジネス環境改善の取り組みを高く評価した。

(注)米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)は6月25日、TIFA協議をオンライン方式で6月30日に開催すると発表した。

(江田真由美)

(台湾)

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