デジタル化加速で政府の今年度ICT調達額が前年比8.6%増の見込み

(シンガポール)

シンガポール発

2021年06月28日

シンガポール政府テクノロジー庁(GovTech)は6月23日、行政サービスのデジタル化の強化により2021年度の政府の情報通信技術(ICT)調達額が38億シンガポール・ドル(約3135億円、Sドル、1Sドル=約82.5円)と、前年度の35億Sドルより8.6%増加する見込みと発表した。2021年度のICT調達の83%は、中小企業も応札可能な規模の案件となる見通しだ。

発表によると、同年度のICT調達予定額の約70%に相当する27億Sドルが、各省庁の行政デジタルサービス改善や統合などを目的とした250ものプロジェクトに充てられる。例としては、会計企業規制庁(ACRA)の新しい企業登記・規制システムの開発のほか、貿易産業省とスマートネーション・デジタル政府グループが管轄する営業ライセンスの登録システム「ゴービジネス(GoBusiness)プラットフォーム」の機能拡張プロジェクトや、個人向けの行政サービスを包括したGovTechが管轄するアプリ「ライフSG(LifeSG)アプリ」の改善プロジェクトなどがある。

また、27億Sドルの44%がクラウド上で開発される予定だ。それによって納入時期が早まるほか、持続性も高まり、拡張も容易だとしている。さらに、調達予定額38億Sドルの13%に相当する約5億Sドルは、政府機関での人工知能(AI)導入拡大に用いられる予定だ。例えば、教育省では、小学高学年と中学生の英作文について、各生徒に迅速にフィードバックするAIを活用した評価システム(AI-AMS)を開発する。

GovTechは2021年度に予定している政府ICTプロジェクトの詳細について、6月30日にユーチューブとリンクドインを通じてオンラインでの説明会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開催する予定。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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