ラオスからの中国向け農産物の大規模輸出協力で覚書

(ラオス)

ビエンチャン発

2021年06月03日

ラオスの民間大手企業エーアイディーシー(注)傘下のエーアイディーシー・トレーディングと中国の国営系企業である中糧(鄭州)糧油工業との間で5月28日、ラオスの農産加工品調達に関する協力覚書がオンライン形式で締結された。ラオス側ではカムペング・サイソムペング商工相、ペット・ポムピパック農林相らが立ち会った。

覚書では、ピーナツ10万トン、タピオカでんぷん10万トン、冷凍肉牛10万トン、カシューナッツ20万トン、マンゴー10万トン、ドリアン5万トン、大豆20万トン、バナナ10万トン、砂糖50万トンの総額15億ドル相当を、5年以内に中国に輸出する計画。カムペング商工相は、中国ラオス鉄道が近く完成し、輸送コストの削減が期待される中、競争力のあるラオス産農産物の輸出増大が期待できるとした。また、ペット農林相は、中国政府との間で植物検疫条件を妥結した7品目(トウモロコシ、キャッサバ、バナナ、コメ、スイカ、サツマイモ、豆類)のうち、5品目について輸入割当枠を取得する協議を開始すると説明し、本事業への期待を寄せた(党中央機関紙「パサソン」5月29日)。

なお、中国政府からラオスへの輸入割当枠の付与については、2015年にコメ8,000トンから開始(2016年3月3日記事参照)され、現在はコメ5万トンと肉牛50万頭(「ビエンチャンタイムス」2021年2月22日)に拡大され、増値税免除などの恩恵を受けている。

農林省によると、2021年1~4月のラオスの農産物輸出総額(対世界)は4億4,000万ドルで、うち、キャッサバ1億4,000万ドル、バナナ1億ドルだった(セータキットカンカー5月27日付)。

写真 エーアイディーシーのメコン川中洲で開発中の農地(ジェトロ撮影)

エーアイディーシーのメコン川中洲で開発中の農地(ジェトロ撮影)

(注)親会社であるエーアイディーシー(Asia Investment, Development & Construction Sole Co., Ltd)についてはLAOS100 ラオスの有力ビジネスパーソン100人(前編)PDFファイル(25.4MB)の7ページ参照。同社の農業法人のエーアイディシー・アグリカルチャー・グリーン・ファーム(AIDC Agriculture Green Farm Sole Co., Ltd.)についてはLAOS100 ラオスの有力ビジネスパーソン 農業編PDFファイル(18.7MB)の5ページ参照。

(山田健一郎)

(ラオス)

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