新年度予算教書を発表、テーマは「復興」

(ケニア)

ナイロビ発

2021年06月16日

ケニア財務・計画省のウクル・ヤタニ長官は6月10日、2021/2022年度(2021年7月1日~2022年6月30日)の予算方針を示した予算教書に関する演説を行った。4月29日に提出した2021年財務法案と併せて、国会で審議される。

憲法の規定によって大統領職は2期までのため、ウフル・ケニヤッタ大統領にとっては実質的に新年度が最終年度となる。テーマは「より良い復興の実現:弾力的で持続可能な経済再生に向けた戦略と包括的な成長」を掲げた。予算案の総額は、GDP比24.5%に当たる3兆300億ケニア・シリング(約3兆300億円、Ksh、1Ksh=約1円)と、前年度実績の2兆400億Kshを大きく上回った。一方、援助を含む歳入総額は2兆1,000億Kshの見込みで、財政赤字は9,297億Kshとなる。財政赤字のGDP比率は、2020/2021年度の8.7%から7.5%まで削減を目指す。また、ケニヤッタ大統領が掲げてきた主要政策「ビッグフォー(BIG4)」〔製造業の強化、食糧安全保障、ユニバーサル・ヘルスカバレッジ(UHC)、手ごろな住宅の確保〕を迅速に実現するとした上で、経済回復の戦略的取り組みとして以下7点を掲げた。

  1. マクロ経済の安定を確保、安全保障の向上。
  2. 必要不可欠なインフラの開発。
  3. 重要な経済セクターへの投資促進(農業改革、製造業の成長、環境保全、水供給、観光回復、持続可能な土地活用と管理など)。
  4. 医療、教育、生活保護などの社会サービスへのアクセス拡大。
  5. 若者、女性、障害者へのサポート。
  6. 地方政府の支援。
  7. 多様な政策の実施。

2020年のマクロ経済をまとめた「エコノミック・サーベイ」は予定日を過ぎても公開されず、例年とは異なり、GDP成長率など重要な指標が提示されないままの予算演説となった。2022年に総選挙を控えるケニアにとって、落ち込んだ経済を回復させることができるか、ケニヤッタ大統領の手腕に注目が集まる。

(久保唯香)

(ケニア)

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