バイデン政権下で急上昇した米国の好感度、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2021年06月16日

米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは6月10日、米国に対する外国・地域の見方に関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)を発表した。

それによると、2020年のドナルド・トランプ政権時、諸外国・地域の米国に対する好感度は34%だったが、ジョー・バイデン政権成立後の2021年には62%と大きく改善した。好感度が30ポイント以上上昇したのは、フランス(2020年調査時31%、2021年調査時65%)、ドイツ(同26%、59%)、日本(同41%、71%)だった。

世界情勢に対応する米国大統領への信頼度は、2020年のトランプ前大統領は17%だったが、2021年にバイデン大統領に代わって75%と急上昇した。バイデン大統領への信頼度が60ポイント以上トランプ氏を上回ったのは、スウェーデン(トランプ前大統領15%、バイデン大統領85%)、ベルギー(9%、79%)、オランダ(18%、86%)、ドイツ(10%、78%)、フランス(11%、74%)の各国。

それぞれ大統領就任直後の調査結果から、トランプ前大統領(2017年調査)とバイデン大統領(2021年調査)への見方を比べると、トランプ前大統領を「大統領にふさわしい」とする割合は16%なのに対し、バイデン大統領は77%と大多数だった。また、トランプ前大統領を「強いリーダー」とする人は46%、バイデン大統領は62%とトランプ前大統領を上回った。逆に、トランプ前大統領を「危なっかしい」とする人は72%(バイデン大統領14%)、「傲慢」とする割合は90%(バイデン大統領13%)と否定的な見方が大多数だった。

米国で民主主義が機能してないことを危惧

今回の世論調査で、米国を「民主主義の模範」と見なす人は17%と少なく、57%が「米国はかつては民主主義の模範だったが、近年はそうでない」としており、米国で民主主義が機能してないことを危ぶむ声が多いことを示した。

23%は「米国が民主主義の模範だったことはない」と回答しており、各国で18~29歳の若年層における割合が高い傾向だ。特に、スウェーデン、ニュージーランド、ドイツ、オランダの若年層の4割が「米国が民主主義の模範だったことはない」と回答した。

米国を信頼できるパートナーとする割合は67%、米国の政治システムが機能しているとする割合は50%だった。

(注)調査実施時期は3月12日~5月26日。対象者はカナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国、オーストラリア、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾の成人1万6,254人。

(松岡智恵子)

(米国)

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