4月の海外送金受取額は過去最高

(パキスタン)

アジア大洋州課

2021年06月01日

パキスタン中央銀行が5月18日に発表した4月の海外送金(郷里送金)受取額は前年比56%増の28億ドルと、月間ベースでは過去最高を記録した。同国の2020/2021年度(2020年7月~2021年6月)における累計月間(7~4月)の金額は242億ドルで、年度途中ながらも2019/2020年度の年間の送金額を既に10億ドル以上上回った。7~4月の期間で送金額が多い発出国上位3カ国は、サウジアラビア(64億ドル)、アラブ首長国連邦(UAE、51億ドル)、英国(33億ドル)だった。

中央銀行は送金額が好調だった要因について、政府や中央銀行を通じた公式の資金送金経路への誘導措置や、新型コロナウイルスのため出稼ぎ労働者の移動が難しくなったこと、安定した外国為替相場動向やラマダンの終了を祝う断食明け大祭(イード祭)を挙げた。ビジネス団体の幹部からは「送金は国際収支の安定や外貨準備の増加に寄与する」と歓迎する声が聞かれた(「ビジネスレコーダー」5月23日付)。パキスタンの経常収支は慢性的な貿易赤字を郷里送金で埋める構造となっている。2020/2021年度は郷里送金が好調なため、経常収支は黒字基調が続いている。

(新田浩之)

(パキスタン)

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