首都圏州全域が再びロックダウン、医療崩壊の懸念高まる

(チリ)

サンティアゴ発

2021年06月14日

チリ保健省は6月10日、新型コロナウイルス対策で同月12日午前5時から首都圏州全域を規制緩和措置の第1段階(注1)へ厳しくすると発表した。チリの1日当たりの新規感染者数は10日に7,716人(添付資料図参照)、アクティブな感染者数(注2)は4万5,774人、うち首都圏州は2万1,341人で、首都圏州全域がロックダウンとなった3月27日(2021年3月29日記事参照)と比べ、感染者数は54%多くなっている(添付資料表参照)。

感染者の増加に伴い、国内の集中治療室(ICU)は4,513床のうち4,331床が既に埋まっている状態で、病床占有率(新型コロナウイルス感染者以外の利用者を含む)は96%まで達している。また、1日当たりのICU入院患者は200人を超えており、首都圏州の一部の病院では、同占有率が100%に達したために救急サービスの一時停止を発表するなど、医療崩壊への懸念が高まっている。

(注1)外出禁止措置(Cuarentena)が常に発令されている状態で、5段階ある規制緩和計画の中で最も規制が厳しい段階。

(注2)発症後や陽性確定後、または検体採取後15日以上経過していない感染者または感染疑義者(死者を除く)。

(岡戸美澪)

(チリ)

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