広東省各市、新型コロナ変異株感染拡大で市・省外への移動制限強化

(中国)

広州発

2021年06月09日

中国広東省の広州市新型コロナウイルス予防控制指揮部(以下、広州市指揮部)は6月6日、同省での新型コロナウイルス変異株の感染拡大を受け、5月30日に発表した移動制限(2021年6月1日記事参照)に加え、6月7日正午から市外・省外へ移動する人に対して、48時間以内のPCR検査陰性証明の所持を義務付けた。

広東省では、広州市で5月21日に変異株のデルタ(インド)型の最初の感染者が確認されて以降、相次いで感染者が出ている。「南方都市報」によると、6月7日午前0時時点の同省のデルタ型にアルファ(英国)型も加えた変異株の累計感染者数は94人(広州市84人、深セン市1人、仏山市9人)、累計無症状感染者は32人(広州市14人、深セン市15人、仏山市、茂名市、湛江市各1人)となった(ともに輸入症例を除く)。広東省衛生健康委員会は6月8日、前日の7日に確認した省内の新規感染者は19人で、うち9人は無症状感染者から有症状者になったと発表した(市別では広州市14人、深セン市3人、仏山市1人、湛江市1人)。

仏山市も6月7日正午から、市外・省外へ移動する人に対して、48時間以内のPCR検査陰性証明の所持を義務付けた。深セン市では7日正午から深セン空港を利用する旅客に対して「グリーンの健康コード」と72時間以内のPCR検査陰性証明(うち、広州、仏山の身分証を所持、あるいは直近14日以内広州、仏山で滞在したことがある旅客に対しては、48時間以内のPCR検査陰性証明)の所持を義務付けるとした。

広州市交通運输局は6月6日、移動制限を開始した5月30日以降、広州市の旅客数は大幅に減少したと発表。1日当たりの数字で各指標をみると、鉄道、空港など主要交通機関を利用した旅客数は5月30日比で63.6%減となった。高速道路の交通量は同2.1%増の132万9,000台と微増だった。なお、広州市を離れる車両の交通量は同9.0%減の31万台、広東省を離れる車は同19.7%減の1万2,000台。広東省は高速道路や国道・省道に38カ所の省境検疫所を設置し、広州市、仏山市からの車両に対して重点的な検査を行っている。

今回の広州市の感染拡大は、感染力が強いとされるデルタ(インド)型変異株によるもので、市内全域(全11区)で徹底したPCR検査を実施している。検査地域は6月4日にこれまでの3区(荔湾区、越秀区、海珠区)に、新たに4区(番禺区、白雲区、黄埔区、天河区)が加わり、翌5日には全ての区に拡大した(2021年6月1日記事参照)。5月26日から6月6日午前0時時点の検査人数は累計で1,608万8,100人に上る(注)。

(注)第7回人口センサス(2020年11月時点)によると、広州市の常住人口は1,868万人。

(梁梓園)

(中国)

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