米バージニア州知事、セレクトUSA投資サミットでビジネス環境紹介

(米国)

ニューヨーク発

2021年06月15日

米国バージニア州のラルフ・ノーサム知事は6月9日、商務省主催で米国への投資を呼び掛けるイベント「セレクトUSA投資サミット」(2021年6月14日記事参照)に登壇し、バージニア州のビジネス環境の魅力をアピールした。同州を投資先として選定した韓国ボイラー大手慶東ナビエンの米国法人(以下、米国ナビエン)で最高経営責任者(CEO)を務めるスコット・リー氏も登壇し、同州に立地する利点などを説明した。

ノーサム知事は、バージニア州には米国内でも優秀な人材が豊富なことや、公共交通機関の充実、大都市(ワシントンDC)が近辺に立地していることなどを利点としてアピールした。また、同州南東部に位置するバージニア港が米国東海岸で3番目のコンテナ貨物取扱量を誇るとともに、約30の国際輸送回線が同州との間で直通サービスを提供しており、世界200カ国以上へのアクセスが可能である点も訴えた。最近の投資事例について慶東ナビエンが7,750万ドルを投じ、北米に初の生産工場を新設することも紹介した。

米国ナビエンのリー氏は、米国で生産拠点を選定するに当たって、生産工場が効率的に稼働できることと、米国東部・中部に配送できることという2つの条件を満たした立地を探していたと述べた。同氏は「バージニア州は、われわれの顧客が所在する地域へのアクセスが容易で、これらの地域への供給に必要な物流コストを最小限に抑えられる最適な場所」とし、米国東部の最大の市場を開拓するには最も好ましい立地だと強調した。同社の生産拠点があるジェームズシティ郡が州都のリッチモンド地域と南部のニューポートニューズの中間に位置していることにも触れ、両都市から優秀な人材や労働力を安定して確保できることも魅力に挙げた。さらに、バージニア港が生産工場の近くに存在することで、今後のビジネス拡大や事業の長期的な成長につながり、より多くの製品を製造する能力が促進されると述べた。

リー氏の発言に対して、ノーサム知事は、同社への雇用面の支援として、バージニア州人材アクセラレーター・プログラム(Virginia Talent Accelerator Program外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を通じて、州政府によるサポートを継続的に行うと述べた。同プログラムは、バージニア州経済開発機構とバージニア・コミュニティー・カレッジ・システムの連携により、2019年に開始された労働力開発イニシアチブだ。バージニア州に新規進出を検討する企業や、既に同州に進出済みで施設の拡張などを検討している企業に対し、人材採用や人材育成・技能向上のための職業訓練といったサービスを、各社の特徴に合わせて無償で提供している。

(樫葉さくら)

(米国)

ビジネス短信 3c4189207ef4e968