産業通商資源部長官、チェコ首相に原発受注支援を要請

(韓国、チェコ)

ソウル発

2021年06月24日

韓国の文勝煜(ムン・スンウク)産業通商資源部長官は6月18日、チェコのアンドレイ・バビシュ首相およびカレル・ハブリーチェック産業貿易相と会談し、チェコで計画が進められている原子力発電所(注1)について、韓国企業の受注支援を要請したと発表した。各会談の概要は以下のとおり。

1.バビシュ首相との会談

バビシュ首相は、韓国は安全保障上のリスクがなく、中国やロシアが原子力発電所事業に参加することに反対していた野党も韓国に対しては反対していない、韓国の入札の参加に問題はないと回答した。また、韓国企業との協力のため、ハブリーチェック産業貿易相に、チェコ原子力発電所企業ミッションを構成し、韓国を訪問してもらうとした。

2.ハブリーチェック産業貿易相との会談

文長官は、韓国がこれまで27基(国内26基、海外1基)の原発を建設し、現在は7基(国内4基、海外3基)の建設を進めているなど、豊富な経験を有している、と説明した。

会談に同席した韓国水力原子力の代表は、韓国がチェコの原子力発電事業に入札する場合、チェコ企業とともに事業参画できるよう、既に160社余りのチェコ企業と協力関係を構築し、原子力発電技術の研究開発(R&D)および専門人材養成のための協力事業も推進している点を強調した。ハブリーチェック長官は、(1)チェコ企業の原子力発電所事業参加の割合が事業者選定のための最も重要な判断基準だ、(2)6月21日に事前の安全保障審査質疑書を韓国、米国、フランスの3カ国に送付する、とコメントした。

また、会談後に、韓国とチェコの企業および公共機関の間で、原子力関連の協力に関する7件のMOU(了解覚書)が締結された(注2)。

(注1)韓国産業通商資源部の発表によれば、チェコ政府は、2040年までにドコバニとテメリンに各1~2基の原子力発電所の建設計画があり、ドコバニの1基を2022年中に発注の予定。2021年4月、当該事業から中国とロシアを排除し、事前安全保障審査を行うと発表。

(注2)韓国水力原子力とチェコエネルギー産業連合(CPIA)との間の原子力発電所O&M(オペレーション・メンテナンス)・エンジニアリング・研究開発に関するMOU、大宇建設とチェコBaucomexとの間の原子力発電所建設に関するMOUなど。

(当間正明)

(韓国、チェコ)

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