行動制限措置を6月25日まで延長、ブエノスアイレス市は独自の措置導入

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年06月15日

アルゼンチン政府は6月12日、必要緊急大統領令(DNU)381/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため現行の行動制限措置(2021年5月6日記事参照)を6月25日まで再延長した。

現行の行動制限措置により、ブエノスアイレス首都圏(AMBA、注)で禁じられている活動は以下のとおり。

  • 商業施設、ショッピングセンター、カジノ、ビンゴ、ディスコ、パーティ会場の営業
  • 屋内でのスポーツ、娯楽、社会、文化、宗教関連の活動
  • 全ての教育段階(初等、中等、高等)の対面授業
  • 午後7時から翌日午前6時までの商業店舗と飲食店の営業。飲食店は許可された時間帯で屋外とデリバリー・持ち帰り形式のみ営業
  • 午後8時から翌日午前6時までの夜間外出。エッセンシャルワーカーは対象外
  • 公共交通機関の利用。エッセンシャルワーカーは対象外

政府は同日、国境封鎖措置を同じく6月25日まで再度延長する行政決議第589/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも公布した。決議では、英国からの発着便、ブラジル、チリ、インドからの航空便に加えて、新たにトルコとアフリカ大陸諸国からの発着便の停止を定めた。これまでメキシコからの直行便運航も停止していたが、今回除外した。また、欧州からの直行便を20%減便する。他国で感染が拡大している変異株の流行を妨げるのが目的。

保健省によると、6月13日時点の全国の累計感染者数は412万4,190人、累計死者数は8万5,343人で、全国の集中治療室(ICU)の病床利用率は76.8%、AMBAでは同74.5%となっている。5月下旬に実施した厳格なロックダウンの効果か、1日当たりの感染者数は特にAMBAで緩やかな減少傾向が見られる。

感染の減少傾向を受けて、ブエノスアイレス市政府は6月11日に市独自に以下の緩和措置を発表した。

  • 商業施設・ショッピングセンターは6月14日から再開可能。ただし、15平方メートル当たりに1人とする人数制限を設ける
  • ジムやスポーツは屋外で最大10人まで可能
  • 初等教育は対面授業を継続。中等教育は対面授業とオンライン授業の併用を開始
  • 商業店舗、飲食店は午後11時まで営業を許可。飲食店は屋外のみで営業可能
  • 映画館、劇場、その他の文化活動は6月18日から収容人数最大30%で再開可能
  • 夜間の外出禁止時間は、午前0時から午前6時まで。

なお、DNUとブエノスアイレス市独自の行動制限措置の内容には矛盾がみられるため注意が必要だ。

(注)AMBA:ブエノスアイレス市と近郊ブエノスアイレス州の35都市で構成する地域。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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