医療逼迫を懸念し、行動制限措置を5月21日まで延長

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年05月06日

アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は4月30日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、現行の行動制限措置(2021年4月19日記事参照)を5月21日まで延長すると発表した。大統領は「感染者数が依然として非常に多く、特にブエノスアイレス首都圏(AMBA、注)は危機的な状況にある」と説明し、国民に対し「移動を自粛し、感染のリスクを下げ、逼迫した医療システムにこれ以上負担をかけないための新たな努力」を呼び掛けた。

翌5月1日には、行動制限措置の延長を定める必要緊急大統領令(DNU)287/2021号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと、国境封鎖措置を5月21日まで再度延長する行政決議第437/2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布した。同決議では、英国、ブラジル、メキシコ、チリからの航空便に加えて、今回新たにインドからの航空便の停止を定めている。

保健省の報告によると、5月2日時点の全国の累計感染者数は300万人を突破し、累計死者数は6万4,252人。全国における集中治療室(ICU)の占有率は68.1%、AMBAでは76.2%。また、ICUで治療を受けている新型コロナウイルス感染症の患者数は5,371人と報告された。

一方、ブエノスアイレス市のオラシオ・ロドリゲス・ラレッタ市長は4月30日、連邦政府の措置に加えて、「ブエノスアイレス市の状況に関するデータとエビデンスを基に」市独自の以下の追加措置を発表した。

  • 士業:弁護士、会計士などの士業サービスは、テレワークを義務付ける。
  • 建設業:2,500平方メートル以下の工事以外は全て停止する。
  • 教育:初等教育の対面授業を継続する。中等・高等教育はオンライン授業とする。
  • 市内外へのアクセスを管理し、一部制限する。公共交通機関の利用の管理も強化し、一部地下鉄駅を閉鎖する。

教育をめぐっては、連邦政府とブエノスアイレス州政府は共に、DNUの規定に反して、対面授業を継続するロドリゲス・ラレッタ市長の決定を強く批判している。

そうした中、フェルナンデス大統領は「この緊急事態の期間中、大統領および州知事が必要な制限や予防措置を講じることができるよう、特別権限の付与を要請する法案を国会に提出する」と述べた。法案の詳細は明確になっていないものの、野党側は、ブエノスアイレス市政府がDNUに従うよう強制する権限を大統領に付与することや、中間選挙の予備選挙を停止するためではないかとし「特別権限は憲法に反する」と批判しており、与野党の対立が一層深まっている。

(注)AMBA:ブエノスアイレス市および近郊のブエノスアイレス州35都市で構成される地域。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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