IEA、2021年の再エネ発電投資は前年比2.4%増との予測発表

(世界)

国際経済課

2021年06月07日

国際エネルギー機関(IEA)は6月2日に発表した世界エネルギー投資報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2021年の世界のエネルギー投資は前年比9.6%増の1兆8,505億ドルになる見込みで、新型コロナウイルス感染のパンデミック発生以前の水準近くまで回復するとした。電力分野への投資は同5.8%増の8,228億ドルと予測した。新規発電設備への投資は3.3%増の5,301億ドル、このうち再生可能エネルギー向けの投資は2.4%増の3,674億ドルとなり、新規発電設備投資の69.3%を占めるという。

IEAは「キャッシュフローを可視化する規制枠組みを整備することでコスト低下につながるような、十分に確立されたサプライチェーンを有するマーケットで再生可能エネルギーへの投資が活発になっている」と指摘した。また、出資者・金融業者が出資先となり得る持続可能性のあるプロジェクトを探し求めている点や、企業のクリーン電力需要の高まりなども、投資が活発化する背景になっているという。

IEAは政策面について「新型コロナからの経済復興パッケージや新しい気候変動対策の実行が電力供給網などのインフラ、再生可能エネルギー、エネルギー効率化技術(特に欧州の建物部門)、二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯留(CCUS)技術、低炭素水素への出資増加につながる」と期待を示した。また、米国のインフラ投資計画が実行に移されれば、投資はさらに勢いづく可能性がある点にも言及している。

再生可能エネルギーへの投資は勢いづいているものの、IEAは、2050年までのCO2排出量ネットゼロの達成と、パリ協定の目標である2050年までの気温上昇を産業革命前から2度または1.5度に抑えるには不十分だと分析している。気温上昇を2度より十分低い水準に抑えるためには、クリーンエネルギーやエネルギー効率化技術等への投資(注)を2020年比で2倍に、気温上昇を1.5度近くに抑えるには同3倍以上にする必要があるという。

IEAのファティ・ビロル事務局長は「2050年までのネットゼロ実現に向けたロードマップで示したとおり、政府は各国の宣言で示した以上にCO2排出の削減に取り組まなければならない。商業利用可能なクリーンエネルギーソリューションへの投資を加速化させるとともに、初期段階の技術のイノベーションを促進するため、具体的な施策を講じる必要がある」と述べた。

(注)クリーンエネルギーやエネルギー効率化技術などへの投資額は2021年で7,500億ドルとなる見込み。

(柏瀬あすか)

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