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米NYで進出相次ぐ超速宅配サービス、ラストワンマイルの配達需要が拡大

(米国)

ニューヨーク発

2021年06月11日

新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン販売が拡大したことにより、消費者は利便性のより高い宅配サービスを求める傾向にある。こうした中、米国ニューヨーク市内では、顧客に商品をより早く届けるラストワンマイル(注)の配達サービスの進出が相次ぎ、各社は小型保管施設を活用して配達時間の迅速化に取り組んでいる。

食品・日用品の超速宅配サービスを手掛けるジョーカー(JOKR)は、これまでは中南米地域で展開していたが、6月3日からニューヨーク市内でもサービスを開始した。同社はフードデリバリーサービス大手「フードパンダ」(本社:ドイツ・ベルリン)の創業者ラルフ・ウェンゼル氏が設立したスタートアップで、商品の注文を受けてから15分以内に届ける宅配サービスを提供する。約1,500点の商品を取り扱い、配達範囲を限定することで、迅速かつ利便性の高いサービスを提供するという(「テック・クランチ」6月2日)。

ジョーカーでは、顧客により早く商品を届けるために、大きな物流拠点ではなく、顧客の近くに小型保管施設(マイクロ・フルフィルメント・センター、以下:MFC)を戦略的に配置し、MFCから商品を配送する仕組みを持つ。同社は新型コロナウイルス禍で打撃を受けた街中の既存店舗や空き物件をMFCに転換している。MFCでは、在庫管理システムを利用して消費者の人口統計や購買行動に関するデータを地域ごとに分析し、顧客がいつ、どこで何を必要としているかといった情報を事前に予測することで、オペレーションを最適化しているという。

また、ドイツ・ベルリンを本拠として、食品や日用品を10分で配達するゴリラス(Gorillas)は、3月に2億9,000万ドルの資金を調達し、ユニコーン企業へと成長しているが(「テック・クランチ」3月25日)、5月30日からニューヨーク市内でサービスを展開している(「ザ・スプーン」5月24日)。また、同市内で食品を15分以内に配達するフリッジ・ノー・モア(Fridge No More)は3月に1,540万ドルの資金を調達し、今後は米国東海岸の都市にも拡大する予定としている(「クランチベース・ニュース」3月16日)。各社に共通するのは、MFCのネットワークを活用している点で、これにより消費者への迅速なサービス提供を可能にしている。

市場調査会社ロジスティクスIQは、世界のMFC市場は2026年までに総額100億ドル規模に拡大すると予測している。2030年までには米国の食料品店計4万店舗で、10店舗ごとにMFCが設けられるという見通しも示しており、MFCは今後、オンライン販売のラストワンマイルを含めたサプライチェーンにおける重要な基盤になるとみられる。

(注)宅配の物流拠点から個人宅までの最終区間のことを指す。

(樫葉さくら)

(米国)

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