新型コロナ禍でも増加傾向のボデガ店

(ペルー)

リマ発

2021年06月09日

ペルーのボデガ店主協会(ABP)とボデガ研究所(CIB)は6月1日、2021年第2四半期のリマ都市部ならびに隣接するカジャオ特別区の同業界動向についてウェビナーを開催した。ボデガ店とは、ペルーで最も庶民に近い街角の個人経営の食料雑貨店の総称で、全国で約50万店舗が存在しているといわれている。CIBによると、リマ都市部とカジャオ特別区におけるボデガ店数は2020年で前年比8.9%増の20万6,182店舗に上り、それ以外はその他の地方にあるという。首都圏の統計を取り始めた2013年以降の店舗数の増加率は年9%前後で推移しており、CIBでは今後5年間も同等の成長を見込んでいるとしている。そのため、2021年内には首都圏での店舗数は22万4,576店への増加を見込んでおり、2025年までには31万6,041店に達するという見通しを立てている。

首都圏のボデガ店の仕入れ先は、「ディストリビューター」「工場直売」「卸売市場」「スーパーマーケット」に分かれており、今回の調査では最も多い仕入れ先は「ディストリビューター」の64%で、次いで「卸売市場」が25%を占めている。また、主な仕入れ方法としては、「新型コロナ禍」において多くの経営者がリモート形式に移行し、通信アプリのWhatsAppを通じての注文が24%、電話注文が19%、その他の仕入れ先が独自に有するアプリケーションなどが17%となっているが、依然として全体の40%が直接訪問の購入と回答している。これについて、ABPアンドレス・チョイ会長は、多くの経営者がいまだにスマートフォンを持っていないことと、Eコマースに対する不信感が背景にある、と説明した。また、「新型コロナ危機」に加えて政情不安などの影響で為替が変動し、仕入れコストが上昇していることもボデガ業界を直撃しており、ボデガ店経営者はより競争力のある仕入先を求めて小規模生産者などへのアプローチも行っている、とチョイ会長は述べた。

ペルー生産省(PRODUCE)では、2018年12月4日にボデガ店起業とフォーマル化の推進を目的とした法律第30877号、通称「ボデガ店総合法」を公布し、2020年5月13日に大統領令第010—2020—PRODUCE号により同法の詳細規定を定めた。これにより、ボデガ店の政府の公的支援へのアクセスを可能とし、社会保障や年金制度への加入も可能になった。

写真 リマ市内のボデガ店(ジェトロ撮影)

リマ市内のボデガ店(ジェトロ撮影)

(設楽隆裕)

(ペルー)

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