公取委、「取引上の優越的地位の濫用」で移動通信大手LGU+へ是正命令

(韓国)

ソウル発

2021年06月18日

韓国公正取引委員会は6月16日、国内移動体通信大手のLGU+(エルジーユープラス)に対し、高速インターネット契約の販売目標を達成できたなかった販売代理店に対し、支払うべき代理店マージンを差し引いていた行為について、「取引上の優越的地位の濫用」に当たるとして、是正命令(同行為の禁止命令)を決定した。

今回の事案は、LGU+の忠清営業部が2012年1月から2014年12月にかけて、管轄する販売代理店に高速インターネット契約の新規契約数目標(TPS目標、注)を課しつつ、新規顧客のうち一定以上の割合で有線と無線のセット販売をする目標を課していた。この一定の目標に達することができなかった代理店に対して、未達成1件につき5万ウォン(約5,000円、1ウォン=約0.1円)から最大25万ウォンの代理店マージンを差し引く運用をしていた。

さらに、LGU+忠清営業部は目標の未達成に伴って差し引く代理店マージンが、契約の達成により支払われるインセンティブを上回った場合、不足分を代理店契約に伴う管理手数料から差し引いていた。

本件による販売代理店への未払い金は合計2億3,800万ウォンに上った。

(注)Triple Play Serviceの略。高速インターネット回線、インターネット電話、インターネットTV(IPTV)のセット販売を指すが、LGU+では高速インターネット回線のみを指す。

(当間正明)

(韓国)

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