イスラエル、新型コロナ関連の国内における各種規制を解除へ

(イスラエル)

テルアビブ発

2021年05月26日

イスラエル保健省は5月23日、6月1日から、国内における新型コロナウイルスに関する各種規制を全て解除すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ただし、イスラエル出入国についての渡航制限は引き続き適用されるとともに、保健相と保健省高官との協議で必要と認められる場合には、規制が強化されることもあるとしている。

既に経済活動や学校が再開となっているが、その後も感染状況が安定して低下していることから、ユーリ・エデルスタイン保健相は声明の中で「5月31日まで延長されている現行規制を再度延長することはない」と述べた。これにより、現在設定されているグリーンパス(注1)やパープルスタンダード(注2)のような制度は、全て運用が停止されることになる。

他方、屋内などの閉鎖空間におけるマスク着用については、今後2週間、専門家らが協議するとされている。本決定がされるまでは、引き続き屋内でのマスク着用が義務付けられる。

イスラエルでは、ピーク時には1万人を超えていた新規感染者数が、直近2週間では1日当たり50人を下回っている。5月23日はわずか12人にまで減少、重症患者数はピーク時に1,228人だったものが59人まで減少している。実行再生産指数(R値)(注3)も5月に入って1に近づいたものの、0.9台で踏みとどまり、再度、減少傾向に転じていることなど、感染が再拡大する兆しは今のところみられない。

またイスラエルでは、2020年12月から他国に先行してファイザー製のワクチンを導入し、積極的な接種活動を行うとともに、接種効果についての疫学調査も行ってきた(2021年1月19日記事2021年2月1日記事参照)。5月23日時点では、70歳以上の高齢者は90%以上が2回の接種済み、接種が最も遅れて始まった20代でも77%が1回目の接種を終えており、全国民の58.52%が1回目、55.01%が2回目の接種を完了している。

(注1)施設などへの入場に際し、ワクチン接種証明を求めるもの。

(注2)職場などにおいて収容人員を規制し、ソーシャルディスタンスを求めるもの。

(注3)1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す値のこと。

(吉田暢)

(イスラエル)

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