中国シノファーム製の新型コロナワクチンの3回目接種開始へ

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2021年05月21日

アラブ首長国連邦(UAE)連邦保健省は5月18日、中国医薬集団(シノファーム)製の新型コロナウイルスワクチンを接種した国民と居住者に対して、3回目の接種を提供すると発表した。

国内主要紙の報道によると、2回目の接種から6カ月経過した場合に提供可能となる。UAEは2020年12月にシノファーム製ワクチンの使用を認可し、「国家ワクチンプログラム」として国民と居住者への接種を行っており、6月には3回目の接種対象者が現れる計算になる。国内では3月に、免疫が十分に生成されていない一部の接種者に3回目の接種を行ったとの報道も出ていたが、今回正式な発表となった。ワクチン供給についても、シノファームの技術協力の下で、アブダビでワクチン生産が既に始まっており(2021年3月30日記事参照)、必要量の確保は問題ないとみられる。

また、UAE政府は5月13日に米国ファイザー製ワクチンの12~15歳への使用を認可した。それを受けて、国内の英国系インターナショナルスクール運営大手のGEMSは、12歳以上の生徒に対して同社製ワクチン接種の受け付けを開始したと発表した。対象の生徒には既に連絡が届いているという。

10月にドバイで万国博覧会を控えるUAEでは、国内でのワクチン接種を精力的に進めている。連邦保健省の発表によると、5月20日時点の人口100人当たりの接種回数は延べ119.53回となっている。早期の集団免疫獲得を目指して、政府は具体的な取り組みを矢継ぎ早に打ち出している。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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