米カリフォルニア州、ZEVインフラ拡大へ許認可手続き効率化急ぐ

(米国)

サンフランシスコ発

2021年05月10日

米国カリフォルニア州は、2035年までに乗用車の新車販売を全てゼロ・エミッション車(ZEV)化するなどの目標達成(2020年10月2日記事参照)に向け、電気自動車(EV)充電ステーション(EVCS)などZEVインフラの拡大を急いでいる。

カリフォルニア州経済促進知事室(GO-Biz)は、同州のEV化促進に努める非営利団体ベローズが4月29日に主催したウェビナーで、インフラ拡大のための許認可手続きの効率化が同州でのZEV普及にとって重要なカギと強調した。GO-Bizはその理由として、同州で建築規制などの許認可手続きに要する平均時間が全米平均と比べて70%以上長いことを指摘した。

GO-Bizは、2015年に成立したEVCS許認可手続きの効率化を各自治体に求める州法(AB 1236外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を基にチェックリストPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を作成し、各郡のEVCS建設・増設に必要な制度整備の状況を金、銀、銅メダルの3段階(注1)で評価している。ウェビナーでは、サンフランシスコ、アラメダ、ナパ、アルパイン、トゥオルミの5郡が金メダルの自治体として紹介された。他方で、現時点で法整備が全く進んでいない自治体(郡・市)は全体の約半数(48%)に及ぶ。

カリフォルニア州は2035年までの100%ZEV化に向けた中間目標として、2025年までにEVCSを25万カ所、水素燃料ステーションを200カ所に拡大し、2030年までに同州を走るZEVを500万台に増やすことを目指している。同州エネルギー委員会によると、4月30日時点で、同州内で利用できるEVCSは約7万3,000カ所、水素燃料ステーションは47カ所となっている。

2021年第1四半期(1~3月)までの同州内でのZEV(乗用車のみ)累積販売台数は約86万台に上る。同期のZEV販売台数は5万9,058台で、モデル別にみると、1位はテスラ「モデルY」(1万5,265台)、2位はテスラ「モデル3」(1万4,536台)、3位はシボレー「ボルトEV」(5,252台)、4位はトヨタ「プリウス・プライム」(4,081台)、5位はホンダ「クラリティ・プラグイン・ハイブリッド」(1,374台)の順だった(注2)。

(注1)金メダルは、許認可手続きの効率化が郡内の100%の地域で完了、銀メダルは、同75%の地域で完了、銅メダルは、同50%の地域で完了している郡。

(注2)カリフォルニア州のZEV販売台数やEVCSなどの最新データはカリフォルニア州エネルギー委員会ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(田中三保子)

(米国)

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