タイ政府がワクチン接種を加速

(タイ)

バンコク発

2021年05月20日

タイ政府の新型コロナウイルス状況管理センター(CCSA)は5月15日、非常事態令第9条に基づく新たな措置(決定第23号)を公表、17日に発効した(2021年5月17日記事参照)。その中で、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ワクチン接種を加速させる方針を明確にした。

決定第23号では、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、ワクチン接種を国家の重要課題とし、CCSA緊急対応センター(EOC)、保健省、内務省などの関係省庁とともに、ワクチンの配分から接種まで効率的に作業を実施するとした。なお、作業計画や接種実績については、継続的にプラユット首相へ報告する。

タイにおけるワクチンの接種は2021年2月下旬から始まった。5月5日の閣議決定によれば、2021年5月から12月までの間に、タイの人口約7,000万人の7割、5,000万人に対して、ワクチンを1億回分(1人当たり2回分)調達し接種することを目標とした(5月5日閣議決定PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

タイに居住する外国人のワクチン接種については、「タイに居住する全て接種希望者は、国籍に関係なく、ワクチンの提供を受けることができる」が政府の基本方針だ。

5月6日に保健省が実施した会見において、保健省疾病管理局のオパス事務局長は「政府のワクチン接種計画には外国人も含まれており、約7,000万人のタイ居住者(6,700万人のタイ人と300万人の外国人)のうち、少なくとも7割がワクチン接種しなければならない」と述べるとともに、従来の政府方針をあらためて強調した(保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

さらに5月12日、アヌティン副首相兼保健相は自らが出席した全国ワクチン委員会において、「2022年内に1億5,000万回分のワクチンを調達し接種を加速させる」と述べ、政府の調達目標を引き上げている(保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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