第1四半期のGDP成長率は前期比マイナス0.5%

(オランダ)

アムステルダム発

2021年05月28日

オランダ中央統計局(CBS)は5月18日、2021年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(速報値)を前期比マイナス0.5%と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2020年第4四半期(10~12月)のマイナス0.1%に続くマイナス成長となったが、2020年前半の景気後退と比較するとマイナス幅は減少した。

需要項目別でみると、内需を牽引する家計支出が前期比3.5%減、政府支出が1.5%減となり、最終消費支出は2.8%減で、GDP成長率を1.9ポイント押し下げた。新型コロナウイルス対策に伴う2020年12月中旬からのロックダウン(2020年12月17日記事参照)により消費が伸びなかったことが影響している。一方、総固定資本形成は3.7%増となり、GDP成長率を0.8ポイント押し上げ、純輸出(輸出は1.6%増、輸入は1.3%増)も経済の縮小を弱める要因となった(添付資料表1参照)。

産業別にみると、文化、レクリエーション、その他のサービスが前期比11.7%減となり、前期に続き大きく減少したが、工業および採石業、建設ではそれぞれ11.1%増、7.5%増で、経済回復に貢献した(添付資料表2参照)。

CBSのチーフエコノミストのピーター・ハイン・ファン・ムリゲン氏は「2021年第1四半期は、夜間外出禁止措置と生活必需品以外の店舗の閉鎖を伴う厳しいロックダウンが実施されていた。しかし、同期中には明らかな回復の兆しが見られる。店舗の一部再開など、人々は以前よりも頻繁に買い物を始めている。4月と5月には政府の感染拡大防止措置が緩和され、小売り部門にも明るい兆しが見え始めている」と分析した(「NOS」5月18日)。

また、CBSが5月18日に発表した非金融民間部門の企業に対する今後のビジネスへの期待などを表すビジネス信頼指標は、2020年第1四半期に新型コロナウイルス感染拡大が始まって以来、5四半期ぶりにプラスに転じた。業界別では、建設業が最もポジティブで14.3ポイント、卸業12.3ポイント、製造業6.5ポイントと続き、自動車販売・修理、宿泊、フードサービスなども依然ネガティブなものの、前期と比較して大きく改善している(添付資料表3参照)。

(高橋由篤)

(オランダ)

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