オランダ政府、2021年1月19日までの厳しいロックダウンを発表

(オランダ)

アムステルダム発

2020年12月17日

オランダ政府は12月14日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況を踏まえ、12月15日から、少なくとも2021年1月19日まで、これまでで最も厳しいロックダウンを行うと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

これまで政府は、10月13日に第2波拡大防止措置として「部分的ロックダウン」を導入していた(2020年10月16日記事参照)。しかし、新規感染者が1日当たり1万人を超えるなど感染拡大が続いたことから、11月3日に「部分的ロックダウン」の強化措置を発表。その結果、新規感染者数は3,000人台に減少したものの、12月以降、再び感染拡大が続き、新規感染者数は1日当たり9,000人台となり、医療体制逼迫の懸念が大きくなっていた。

今回の主な措置は以下のとおり。

  • 接触を可能な限り制限するため、飲食店や、衣料品店、靴店などの小売店、美術館、劇場、動物園、遊園地、カジノなどの施設を閉鎖する。理美容室、ネイルサロンなどの医療以外で接触を伴う業種の営業も禁止する。
  • スーパーマーケット、パン屋、精肉店などの食料品店、ドラッグストア、ガソリンスタンド、クリーニング店、眼鏡屋など一部の店舗は営業可能。
  • 出社が絶対に必要でない限り、在宅勤務を行うこととし、休暇中であっても可能な限り自宅にとどまること。自宅への招待客は2人までとするが、12月24~26日は例外的に最大3人とする。
  • 屋外での集団行動は2人までとする。
  • ジム、プール、サウナなどの屋内スポーツ施設は閉鎖する。屋外でのスポーツは大人1人で、または1.5メートルの距離を保ち2人まで一緒に行うことができる(ただし、子供は屋外でのチームスポーツも可能)。
  • 不要不急の移動、旅行を自粛し、公共交通機関の利用は必要な場合のみとする。海外への渡航は3月中旬まで予約も含めて自粛すること。

これを受けて、食料品を除く小売店の業界団体INretailは、ロックダウンによる非食料品店への影響は甚大とし、家賃などの固定費の補助スキーム(TVL)の非食料品店への適用などの政府支援の拡充や、オンラインショッピング購入商品の店舗での受け取り体制の迅速な許可などを政府に要望している。

(高橋由篤)

(オランダ)

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