世界経済フォーラム、シンガポールでの年次総会を中止

(スイス、シンガポール、世界)

ジュネーブ発

2021年05月19日

世界経済フォーラム(WEF)は5月17日、シンガポールで8月に開催が予定されていた特別年次総会の中止を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。当初、2021年の特別年次総会は、従来開催されてきたダボスに代わりシンガポールで5月に開催される予定だった(2020年12月20日記事参照)が、その後8月に延期されていた(2021年2月5日記事参照)。

WEFは中止の理由について、シンガポール政府からの支援の下で開催に向けた準備を進めていたが、世界各地の状況、不透明な見通し、ワクチン接種の普及速度の違いに加え、変異株の不確実性などから、世界各国の企業、政府、市民社会のリーダーが集う国際的な会合は実現困難と判断したと説明している。5月17日付「ルトン」紙によると、2020年12月に2021年の特別年次総会の開催地に選ばれた際のシンガポールの感染状況は落ち着いていたが、5月16日から感染防止措置が再強化され、5月19日から28日まで学校が閉鎖されるなど現地の状況が変化していることが理由とのこと。

WEFによると、次回の年次総会は2022年前半の開催を予定しており、開催地および日時は、今夏以降の状況を見極めた上で決定される。WEF創設者兼会長であるクラウス・シュワブ氏は「バーチャルだけでなく、実際に集まり、よりレジリエントかつ包摂的で、サステナブルな世界に貢献したいというパートナーたちの大きな関心を考えると、今回の決定は大変難しいものだった。しかし、何よりも関係者全員の健康と安全が最優先と判断した」とコメントした。

(和田恭)

(スイス、シンガポール、世界)

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