タイにおける日台連携可能性セミナーを開催

(タイ、台湾、日本)

バンコク発

2021年05月26日

ジェトロは5月19日、台湾貿易センター(TAITRA)との協力覚書(MOU)に基づき、「タイにおける日台ビジネス連携可能性」セミナーをオンラインで開催した。日系企業と台湾企業のアライアンスに関する専門家らが登壇、日台企業連携によるタイでの販路開拓など、日台ビジネス連携の可能性について講演した。

タイ台湾商工会(TTBA)のショウ・ミン・クオ会長は、電気・電子、自動車、機械分野を中心に、2019年12月時点で2,500社ほどの台湾企業がタイ投資委員会(BOI)から投資恩典を受けており、それ以外の企業も合わせると、計5,000社以上の台湾企業がタイに進出している、と説明した。その多くは、バンコク近郊の工業地帯に拠点を有している。

ジェトロ・アジア経済研究所の佐藤幸人上席主任調査研究員は、海外市場戦略における日台企業連携には、「中国市場の共同開拓経験で培った、信頼関係をベースにしたものが多い」としつつ、タイ・ASEANにおける日台連携についても、「台湾企業と連携し、現地の華僑・華人コミュニティや企業にアクセス」「既に現地進出している台湾企業からの原材料調達」などの可能性を説明した。また、それらの具体例として、日本のグラファイトクルシブル(黒鉛るつぼ)メーカーが、パートナーである台湾企業を通じ、タイにおける顧客を発掘、タイで日台合弁の生産拠点を設立した事例などを紹介した。

その上で、「日系企業にとって、中国市場で台湾企業と組むことは、言語(中国語)上の課題を克服するという分かりやすいメリットがある。他方、タイやASEANにおいては、個別の台湾企業が有する技術力や営業力などの強みをしっかり見極めることが肝要」と指摘した。

ジェトロは、2017年10月にTAITRAと、双方向の貿易投資促進を図るため、協力覚書を締結し、その後、日本と台湾においてのみならず、インドネシア、ベトナム、マレーシアなど他のASEAN各国においても、現地ニーズに基づき、同様のセミナーや商談会を実施してきた。タイにおいても、今後6~7月に、在タイ日系企業と台湾企業とのオンライン商談会を実施する予定。

(田口裕介)

(タイ、台湾、日本)

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