第1四半期のGDP成長率、前年同期比4期連続のマイナス成長

(インドネシア)

ジャカルタ発

2021年05月14日

インドネシア中央統計庁(BPS)は5月5日、2021年第1四半期(1~3月)のGDP成長率は前年同期比マイナス0.74%、前期比マイナス0.96%と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。インドネシア経済の成長率は5.0%前後で推移していたが、新型コロナウイルス感染が本格化した2020年第2四半期(4~6月)にマイナス成長に転じた。以降、四半期ごとに減少幅は減少しているものの、4四半期連続でマイナス成長が続いている(添付資料図参照)。

支出面では、GDP全体の約57%を占める家計最終消費が前年同期比マイナス2.23%の成長となった。一方、輸出入がそれぞれ6.74%と5.27%で成長したほか、公的支出は2.96%成長した。

業種別では、17主要セクターのうち11セクターが前年同期比でマイナス成長となった。特に運輸・倉庫がマイナス13.12%で減少幅が最も大きかった。他方、情報・通信は8.72%と成長した。前期比では、主要セクターの多くがマイナス成長だった。マイナス幅が大きかったのは教育サービスと医療サービス・社会保障で、それぞれマイナス13.04%とマイナス10.10%だった。一方、農林水産業の成長率は9.81%で、全セクター中で最大の成長となった。

地域別では、前年同期比でマルク・パプア島とスラウェシ島がそれぞれ8.97%と1.20%の成長だった。GDPの約6割を占めるジャワ島がマイナス0.83%となった。前期と比べると、ジャワ島(0.49%)だけがプラス成長した。ジャカルタ特別州は前年同期比マイナス1.65%、前期比マイナス0.04%の成長だった。

第1四半期の前年同期比GDP成長率は、インドネシア政府が予測していたマイナス0.6%~0.9%の範囲に収まった。BPSのスハリヤント長官は、マイナス幅が縮小していることに触れて「経済が一貫して改善している表れであり、2021年中に景気回復が期待できる」との考えを示した(「コンタン」紙5月5日)。スハルソ・モノアルファ国家開発計画相は「公的支出や家庭消費、輸出の増大により、2021年第2四半期にプラス成長する」と、より具体的な見通しを示した(「コンパス」紙5月5日)。

(尾崎航)

(インドネシア)

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