ドイツ系鉱業企業、カザフスタン南部で金採掘・精錬複合体を建設

(カザフスタン、ドイツ)

タシケント発

2021年05月06日

ドイツの鉱業企業モンテラ・グループは4月17日、カザフスタン南部のジャンブル州コルダイ地区カラタス・マイブラクで金採掘・精錬複合体を建設する、とカザフスタンのニュースサイト「カズインフォルム」が4月19日に報じた。

モンテラ・グループはフランクフルトに本拠を置き、金、銅、その他の金属鉱床開発を手掛けている。2015年に現地法人のモンテラ・カザフスタンを設立し、2016年にジャンブル州政府との間でカラタス・マイブラクでの金探鉱契約を締結している(「カズインフォルム」2016年11月29日)。

丘陵地帯に位置するカラタス・マイブラク金鉱の推定埋蔵量は100トン。採掘は露天掘りでおこなわれる。鉱石にはさまざまな金属成分が含まれるが、この複合体では最新技術を用いて精鉱し、金銀の合金を製造する。合金はさらに首都ヌルスルタンに送られ、そこで純金が分離される。

この事業により、2,800人の新規雇用が創出される見込みだ。企業によるCSR(企業の社会的責任)活動や人材育成事業を含めた総投資額は8,320億テンゲ(約2,080億円、1テンゲ=約0.25円)で、この複合体は2023年に操業を開始する予定。操業開始直後の生産能力は年間で金5トン、銀120トンだが、3年目には金10トンまで引き上げる。抽出された金は、カザフスタンの中央銀行が購入する(「フォーブス・カザフスタン」2017年4月11日)。

カザフスタンの金埋蔵量は1,000トンで、世界全体の2%を占める。ソ連時代にカザフスタンの金生産量は年産20トンだったが、政府が金の増産を進めた結果、2020年には世界9位となる年産100トンまで拡大した。

(増島繁延)

(カザフスタン、ドイツ)

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