米アマゾン、コンテンツ大手MGMの買収を発表

(米国)

ロサンゼルス発

2021年05月28日

米国の電子商取引最大手アマゾンは5月26日、米国コンテンツ制作配給大手のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を84億5,000万ドルで買収すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。映画製作において長年の歴史を持つMGMの買収により、アマゾンは映像制作部門アマゾン・スタジオ(Amazon Studios)の事業を強化し、またMGMが持つ既存のコンテンツを配給できるようになる。

1924年設立のMGMは「ジェームス・ボンド」シリーズや「羊たちの沈黙」などのハリウッド映画4,000本以上、また「ファーゴ」や日本のテレビ番組「¥マネーの虎」の米国版「Shark Tank」などのテレビ作品1万7,000本以上の権利を有しており、同社作品は今までに計180以上のアカデミー賞および100以上のエミー賞を受賞している。

アマゾンのプライム・ビデオ(Prime Video)(注)は、米国の5大定額制動画配信サービス比較において、2020年第4四半期時点の市場占有率が20%と、競合のネットフリックス(Netflix)の22%に続いて2位になっている〔動画配信サービス情報サイト・リールグッド(Reelgood)調べ〕。また、オリジナルの映画製作においても、2021年4月に行われた93回アカデミー賞では、Amazon Studios制作の受賞は「サウンド・オブ・メタル」の2部門にとどまった一方、Netflixは計7部門を受賞し、Netflixに軍配が上がるかたちとなっていた。

動画配信サービスに対する世界的な需要の高まりにより、米国では大手コンテンツ企業の統合や買収が続いており、2021年5月もワーナーメディアとディスカバリーが統合を発表している(2021年5月20日記事参照)。

(注)アマゾン・プライム(Amazon Prime)契約者に提供する定額制の動画配信サービス。

(トーレス久美子)

(米国)

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