上海市、2025年にCO2排出のピークアウト目指す

(中国)

上海発

2021年05月27日

上海市は5月19日、習近平国家主席が打ち出した目標である2030年の二酸化炭素(CO2)排出のピークアウト、2060年のカーボンニュートラルを実現するため、政府目標より5年前倒しでピークアウトを達成するための行動方案を策定すると発表した。

上海市生態環境局の程鵬局長によると、ピークアウト実現のため、行動方案には(1)低炭素かつ安全で高効率なエネルギーシステムの構築、(2)重点分野の汚染減少と炭素排出量の削減、(3)低炭素技術の開発促進、(4)低炭素政策と市場システムの改善、(5)炭素吸収能力の向上という5つの重点分野を盛り込む予定(詳細は添付資料表参照)。

程鵬局長は、同局で今後CO2のピークアウト実現に向け市民の行動と参加を促すべく、低炭素のメリットを享受できるプロジェクトを準備するとした。具体的には、上海市民に対し、市民が低減させた炭素排出量に応じた炭素ポイントを支給し、そのポイントを上海市の炭素取引市場(注)や各種商業プラットフォーム等を通じて利用できるようにするもの。

上海市は「仮想発電所」によるCO2排出削減の取り組みを実施するなど、率先してカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを行っている(2021年5月13日記事参照)。江蘇省も5月13日に「2021年カーボンピークアウト、カーボンニュートラル推進行動計画」を発表するなど、華東地域でもカーボンニュートラル目標実現に向けた動きが盛んになっている。

(注)企業が炭素排出権の売買を行う市場。北京、上海、天津、 重慶、湖北、広東、深セン、福建の8省・市が試行エリアに指定されている。

(侯恩東)

(中国)

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