在カナダ日系企業の新型コロナワクチン接種方針、推奨と任意が各4割

(カナダ)

トロント発

2021年05月12日

ジェトロは在カナダ日系企業を対象に、新型コロナウイルスワクチンの接種方針などに関するアンケート調査(注1)を実施し、107社から回答を得た。カナダでは、ワクチン接種は各州の方針に従って実施されている。トロントがあるオンタリオ州では、一般市民の接種対象年齢が5月13日以降40歳以上に、5月中には18歳以上にまで引き下げられる一方、接種の2回目は4カ月程度先になる予定で、必要回数の接種完了までには時間を要する状況だ。

アンケート調査では、従業員のワクチン接種について、「原則として任意」とする企業が43%、「原則として推奨」する企業が42%だった。「方針を決めていない」は12%で、「原則として義務」は1%にとどまった。また、「顧客の現場に出向きサービスを提供する部門は顧客側からの要望により原則義務」など、職種や職場環境で異なる方針を設定している企業もあった。

従業員にワクチン接種を勧めるための特別な措置としては、「接種のため外出する時間を特別休暇(有給)扱いとする」企業が47社と最多だった。次いで、「副反応が発生した場合、特別休暇/病気休暇扱い(有給)とする」が27社、「事業所内で集団接種を実施する」とした企業も6社あった。そのほか、「接種を理由とする2~3時間の外出は許可(休暇扱いではない)」「ワクチン接種を行った従業員に対して50カナダ・ドル(約4,500円、Cドル、1Cドル=約90円)程度の金券を配布」「同じ地域の同業他社と合同で接種会場を設営」との回答もあった。

ワクチン接種の課題や懸念については、「義務化や推奨して副反応が生じた場合の責任」と回答した企業が32社で最も多かった。次いで、「接種者と非接種者の把握と収集した個人情報の保護」が30社、「義務化や推奨する場合の従業員からの反発」が25社、「義務化や推奨しないで事業所で感染が発生した場合の責任」が24社となっている。「その他」と回答した企業の課題・懸念としては、「副反応での欠勤率増加」「副反応の特別休暇扱いの悪用」「ワクチン接種の有無による差別、ハラスメントの防止」「接種者、非接種者がいることを前提とした、勤務ガイドラインの作成」などが挙がった。一方、27社が「特にない」と回答した。

7割以上の企業が今後も在宅勤務の継続を検討

現在の勤務体制については、在宅勤務が可能な職種では、「原則全従業員が在宅勤務」(37%)と「主に在宅勤務」(34%)を合わせると7割超の企業が在宅勤務中心の体制を取っている。一方、在宅勤務が難しい職種では、7割近く(67%)が「原則全員事業所に出勤」としており、3割弱(29%)の企業が交代制を導入している。

新型コロナウイルスの影響で、依然として9割の企業が勤務体制を従前から変更している状態にあり、今後の勤務体制について「以前の体制に戻す」とした企業は45%、「新しい体制とする(検討中を含む)」は44%で、ほぼ同じ割合になっている。「戻す」とした企業のうち、その時期に関しては「流行が完全に終息したと思われた時」と回答した企業が約半数(49%)に上った。また、「緊急事態宣言終了時」「在宅命令終了時」「ワクチンの必要回数接種完了がある程度いきわたった時」がそれぞれ11~13%程度で並んだ。そのほか「業務量が通常に戻ったら」「状況を見ながら経営陣にて判断」などの意見もあった。

「新しい体制とする」とした企業にその内容を尋ねたところ、「主に事業所出勤(一部リモート勤務、注2)」「事業所出勤とリモートを同じ割合」「主にリモート(一部出勤)」がいずれも20%台となり、合わせて7割以上の企業が何らかのかたちでリモート勤務を勤務体制に取り入れる可能性があることが分かった。

(注1)調査期間は4月26日~5月3日。アンケート結果をまとめた報告書はジェトロ・ウェブページPDFファイル(1.1MB)から閲覧できる。

(注2)自宅を含むオフィス外での勤務。

(江崎江里子)

(カナダ)

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