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スタートアップ企業、ドローンで農作物の病害を早期発見

(エチオピア)

アディスアベバ発

2021年05月17日

エチオピアにとって農業は経済の屋台骨だ。その農業分野で今、人工知能(AI)や画像処理、機械学習、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータなど新しい情報技術の適用が始まりつつある。AIを活用して農作物の病害を判定するスタートアップ「デボ・エンジニアリング(Debo Engineering)」の共同設立者、ボアズ・ベルハヌ氏に話を聞いた(2021年3月23日)。同社は、国内外のスタートアップコンテストで複数の受賞実績(注)を持つ。

(問)デボ・エンジニアリングについて。

(答)会社は2019年に設立した。農業分野のニッチな市場で課題解決を提供していて、農地にドローンを飛ばして農作物の病害を判定するほか、コンピュータや携帯端末(アンドロイドのみ対応)でも利用可能だ。国内南西部のメイズとコーヒーの木で運用実績がある。今後はサービス提供地域を全土に広げ、対象も小麦やテフなどの主要穀物に加えて、果実や野菜にも対応したい。

(問)起業のきっかけは。

(答)共同創業者とジンマ大学で工学を学んでいた時、農村共同体の「デボ」という文化に触発されたのが大きい。「デボ」とは「ある目的に対して協働する」という意味で、農村部で広く一般的な慣習・文化として存在する概念だ。農村では、人々が常に協力して作業していて、病害による収量低下などの問題を抱えていた。農村の生活を豊かにしようと、病害を特定するため大規模調査を実施して、診断用の画像を蓄積した。工学知識により、画像から自動で病害を判断するアルゴリズムを開発し、このサービスに応用した。

写真 共同設立者のベルハヌ氏(デボ・エンジニアリング提供)

共同設立者のベルハヌ氏(デボ・エンジニアリング提供)

(問)顧客層は。

(答)ドローンを使った診断は、主に商業農場と農業組合に利用されている。個人農家にはドローン使用料は高く、耕作地も狭いため、対象としない。ドローンの有効活用には、規模が大きいほどよい。一方、携帯端末を利用した診断は、農業普及員(エクステンションワーカー)に利用されているほか、個人農家や都市部の農業従事者にも使われている。農業省や傘下の農業農村技術協力センター、農業変革局のほか、ドイツ国際協力公社(GIZ)、インキュベーション施設のアイス・アディス(iceaddis)などと協力している。契約件数は106件(大規模商業農家3件、コンピュータでの利用契約30件、携帯端末での利用契約73件)だ。

写真 携帯端末で診断する様子(デボ・エンジニアリング提供)

携帯端末で診断する様子(デボ・エンジニアリング提供)

(問)利用料金などビジネスモデルは。

(答)携帯端末からのアプリ利用は4言語に対応し、導入時に課金が必要だ〔3ブル(約7.8円、1ブル=2.6円)〕。コンピュータ上の利用には月額利用料がかかる。ドローンを利用する診断は農地面積に応じた利用料金だ。

(問)日本企業との協業への期待は。

(答)外国企業との協業はどんな形式であれ歓迎する。農業の可能性は大きく、今後数年間でAIの活用が増える中で農業への適用も拡大していくと考えている。

(注)例えば「MEST Africa challenge 2020」「Green Innovation and Agritech selam 2019」

(メセレット・アベベ)

(エチオピア)

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