タイと中国の貿易促進会合、貿易円滑化や博覧会出展を相互に要望

(タイ、中国)

バンコク発

2021年05月26日

タイ商務省貿易交渉局(DTN)と中国商務部対外貿易司は5月20日、第2回「タイ=中国間の円滑な貿易促進に関する作業部会」会合を開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。両国貿易の拡大や問題解決に向けた協力が話し合われた。同部会は、2国間貿易協力を深めるための覚書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、2018年に創設された。中国は、タイの貿易相手国としては9年連続首位になっている。

タイは中国に対し、新型コロナウイルスの影響で国境を通じた陸上貿易や往来が制限される中、貿易障壁への対策を講じ、タイからの輸出品にさらなる貿易円滑化措置を実施するよう求めた。具体的には以下のような事項を要望した。

  • タイ産果物の旬の時期に貨物輸送をスムーズにするため、友誼関(広西チワン族自治区)国境での貨物検査の営業時間を延長すること
  • メコン川の関累港(雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州)を早期再開し、タイ産果物を同港経由で雲南省へ輸出できるようにすること
  • 中国への輸出資格を持つタイの工場を増やすため、保留されているタイのコメ・家禽(かきん)・ツバメの巣の加工工場の登録手続きを早めること
  • タイが中国への輸出を希望している豚肉、生きた牛、赤色ツバメの巣(血燕)の食品安全性評価の完了を早めること
  • タイのチェンライ県チェンコン経済特区とボーテン(ラオス)=磨憨(モーハン、中国)共同経済特区の連結性を向上すること。タイは、チェンコンを流通・物流センターとして開発し、クロスボーダー電子商取引(CBEC)を促進する。タイの起業家が、中国のCBEC政策のメリット(ドライフルーツ、茶、コーヒー、化粧品などの商品に対する関税、付加価値税、物品税の減免)を得られるよう奨励する

一方、中国はタイに、(1)感染症への対応として、ASEAN中国自由貿易協定(FTA)の原産地証明書(フォームE)の発行に紙媒体でなく、電子署名・捺印(なついん)システム(ESS)を使用すること、(2)ヘルスケア・医療機器分野での貿易協力を強化すること、(3)9月に南寧市で開催される中国ASEAN博覧会(CAEXPO)、11月に上海で開催予定の2021年中国国際輸入博覧会(CIIE)へのタイ企業の参加を促すこと、などを要望した。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、中国)

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