中国シノバック製ワクチンがチリで製造開始か

(チリ)

サンティアゴ発

2021年05月06日

チリのカトリカ大学(Pontificia Universidad Católica de Chile)が、チリ国内における中国のシノバック製の新型コロナワクチン製造に向けて同社との協議を進めている、と5月4日付の「エル・メルクリオ」紙が報じた。

チリでは、世界的にも非常に速いペースで国民へのワクチン接種が進行している(2021年3月23日記事参照)が、その原動力となっているのはシノバック製ワクチンだ。5月4日更新の保健省の公開データによると、これまでチリで接種された計1,502万4,949回分のワクチンのうち、1,279万551回分(85.1%)がシノバック製、219万388回分(14.6%)が米国のファイザー製、4万4,010回分(0.3%)が英国のアストラゼネカ製、となっている。

元々、カトリカ大学とシノバックは、長年にわたって呼吸器系ウイルスの研究における協力関係にあった。その関係がきっかけとなり、チリにおけるシノバック製ワクチンの有効性の検証がカトリカ大学の主導で行われたことに加え、チリ政府が同社製ワクチンを購入した際にも、正規料金からの割引などの便宜が図られた、と報じられている。

カトリカ大学のイグナシオ・サンチェス学長は、「エル・メルクリオ」紙のインタビューに対し、「シノバックのチリへの進出と製造拠点の設立は、将来のチリにおける新型コロナワクチンの供給体制を確立させる点で重要だ」と指摘。また、「周辺の中南米諸国への供給という観点や、インフルエンザや肝炎などの疾患へ効果を発揮する同社製ワクチンについてもチリでの製造を可能にするという点でも意義深い」とコメントしている。またサンチェス学長は、本計画の今後の展望として、シノバック側の視察団のチリへの招致や、ワクチンの対象年齢(シノバック製ワクチンは、現状18歳以上から接種が可能)を拡大するための臨床試験の実施についても言及した。

(佐藤竣平)

(チリ)

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