ワクチン接種500万人達成で国内向け制限措置を大幅解除へ

(ハンガリー)

ブダペスト発

2021年05月24日

ハンガリーのオルバーン・ビクトル首相は5月21日の定例ラジオインタビューで、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的として行っていた制限措置の大半を緩和すると発表した。オルバーン首相は「予防接種を受けた人の数は(21日午前9時時点で)489万8,866人だ。今週末に500万人に到達することは間違いない」と述べており、制限緩和はワクチン接種人数が500万人に達することに結び付けられたものだとした。政府は翌22日にワクチン接種者が500万人に達したことを発表、その後、官報に制限緩和に関する政令が公表され、23日に発効した。

制限措置の主な変更点は以下のとおり。

  • 午前0時から5時までの夜間外出禁止措置を解除。
  • 午後11時までとする店舗の閉店時間制限を解除。
  • 屋外の公共の場でのマスク着用義務を解除。
  • 個人・団体を問わず屋外での運動禁止措置を解除。

また、人が集まる行為についても、制限していた上限人数を緩和する措置が取られる。

  • 参加者の上限10人とされていたプライベートおよび家族の集まりは、上限50人に緩和。
  • 禁止されていた結婚披露宴は、参加者の上限200人を条件に開催可能に。
  • 禁止されていた屋外でのイベントは、参加者の上限500人を上限に開催可能に。

ただし、ホテルやレストランでイベント・集会が行われる場合は、当該施設の運営者には一般客とイベント参加者とが交じり合わないようにする義務が課される。

このほか、ワクチン接種者や感染からの回復者に提供される免疫証明書(2021年2月17日記事参照)を有する者のみを対象として、以下の行動制限が解除された。

  • 屋内でのイベントへの参加。
  • 16~18歳の者の、レストランや映画館への保護者の同伴なしでの入場。
  • 音楽コンサートやダンスホール・クラブなどへの入場。

今回の政令には、店舗への入店者数制限を売り場面積10平方メートル当たり1人までとする措置(2021年3月29日記事参照)の緩和や、免疫証明書保有者に限定している飲食店の店内利用、文化施設やホテル・宿泊施設の利用・宿泊(2021年4月26日記事参照)を免疫証明書非保持者にも拡大することに関する条項は盛り込まれておらず、これらの制限は今後も引き続き継続される。

また、グヤーシュ・ゲルゲイ首相府長官は、5月20日の定例会見で、各種制限措置の大幅解除予定を受けて、これまで車両の路上駐車については公共交通機関利用による密回避を目的として無料としていたが、その措置を終了し、5月25日から再び有料に戻すと発表している。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー)

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